2023年11月30日

TASS2023/賴樹鑫創会理事長インタビュー/循環経済への取り組み/3Rでなく「ループ」/業種超えた取り組みを

――台湾の循環経済の現状は。

「現段階では3R(リユース、リデュース、リサイクル)に近い水準にあり、まだまだ循環経済とはなっていない。よりしっかりとしたエコシステムを構築する必要があると強く感じている」

――今後はどのような動きを進めていく必要があるか。

「最初はリニア的な動きで、次に3Rへと進化していった。現在はCEつまりは循環経済的な動きが求められいる。私は循環の言葉の意義を中国語でループと表現としたい。人々からCEに関する話を聞くと、まだまだ3Rの観点から抜け出せていないと感じられるためだ。CEを表す語句として中国語で『循環経済』から『ループ経済』へと変えることで、台湾の産業界の人々がCEを理解し易いように努めていくことがわれわれの使命だと感じている」

――産業界からの視点で次回のTASSの展示会で行いたいことは。

「サステナブルなサプライチェーンを構築することがTASSの当初の目的であった。だが、半導体産業などでは大手を中心にそれらの動きがすでに進んできている。そのため来年以降のTASSでは、業種を跨いだイノベーティブなサプライネットワークの構築を重視していきたい。今回のTASS2023でも新しい業種からの参加が進んでおり、その動きを次回につなげていければ幸いだ」

――CEの実現には業種を超えた取り組みが欠かせない。

「その通りだ。サプライチェーンは川上から川下までの話になる。これからのCEは一つの産業だけでなく、多くの産業をつなぎ合いクモの巣のように相互連結を結び、異業種間で目標達成に向けて動くことで理想に近づくことができると感じている。次の世代に向けて、経済発展しながら人々の生活環境を保つ道を模索し、実現への手助けをしていきたい」

――脱炭素の目標年である2050年に向けては。

「時代と共に目標とするCEのコンセプトを変えていきたい。2050年のカーボンニュートラルの達成は産業界だけでなく、市民にとっても重要だと感じている。5年目となる来年のTASSでは異業種間での連携を深め、CEへの理解を浸透、定着させる。10年後には生態系も絡めたCEを目指していきたい」

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