2026年4月17日
成長するインド金属リサイクル市場/インドマテリアルリサイクル協会/シン事務総長/初期段階での投資 魅力的/日本企業との技術シナジー期待
インドの金属リサイクル業界の現状と日本とインドが連携する重要性について、インドマテリアルリサイクル協会(MRAI)のアマル・シン事務総長に聞いた。
――インドの金属業界の現状は。
「インドの粗鋼生産量は2025年で約1億6500万トンだが、30年には約倍となる3億トンに拡大することが予想されている。鉄鋼だけでなく、インドの金属市場は銅やアルミなどの非鉄金属も含めて、大きく成長を遂げているところだ」
――鉄・非鉄のスクラップ需要については。
「足元の鉄スクラップの需要は年間約4000万―4200万トンほどだが、30年には6000万―6500万トンに拡大することが見込まれている。アルミスクラップの需要も年間約220万トンから30年に400万トンに増加し、銅スクラップは約54万トンから30年に120万トンに増加する見込みだ。全ての金属スクラップ需要が増加すると予測されている」
――インド国内における金属スクラップの発生は。
「鉄スクラップの国内発生量は24年度で年間約3000万―3500万トンだが、30年度までに4700万―5000万トンに拡大すると予想されている。ただ、アルミスクラップの発生量は同約40万トン、銅スクラップも同約40万トンにとどまり、国内発生の増加にはまだまだ時間を要する。そのため依然として原料の多くを輸入に頼っているのが現状だ」
――日本企業がインドに投資するメリットは。
「インドのリサイクル市場は現在、140億ドルを超える規模に成長し、30年までに210億ドルを超える規模になると予測されている。そのため技術革新が急速に求められており、インド側としては成長の初期段階にある現段階での投資は特に魅力的に感じている。日本にとってインドとの協力は、安定した大量市場へのアクセス権を確保することにつながる。サプライチェーンの混乱や地政学的不確実性がまん延する世界において、貴重な資産になり得ると言えるだろう」
――インドにはどのような企業があるのか。
「影響力のある鉄鋼や非鉄に関連するリサイクル企業は数多くあるが、代表的な企業をご紹介したい。世界的なスクラップ商社であるMTCグループや、鉛・アルミ・プラスチックの多国籍リサイクル企業であるグラビタ・インディア、銅製造・リサイクル大手のバギャナガル・インディア、鉛二次合金の有力企業であるポンディ・オキサイド・アンド・ケミカルズ(POCL)、インド最大のアルミ・亜鉛合金メーカーのCMRグリーンテクノロジーズ、循環型ビジネスを基盤とした酸化亜鉛メーカーのJGケミカルズ、インドにおける非鉄リサイクルの先駆者的存在であるジェイン・メタル・コーポレーション、高強度特殊鋼メーカーのラージプタナ・スチールなどがある。これらの企業は8月末に東京で開催される国際ビジネスサミット(IBS)2026にも参加を予定している」
――それらはどのような企業なのか。
「これらの企業は、インドのリサイクル分野におけるESGを重視する優良企業として、透明性と信頼性を提供している。例えばMTCグループは24年末に、三井物産から1億3500万ドルの出資を受けた。この連携により高効率製錬や精密金属選別といった先進的な日本の技術をインド市場に導入し、回収率を大幅に向上させ、環境負荷を低減させた。日本企業との連携の成功例と言えるだろう」
――日本とのパートナーシップの強化を期待している。
「その通りだ。単なる貿易での関係性にとどまらず、技術シナジーも期待できる。高純度リサイクルと低炭素処理における日本のリーダーシップは、われわれに未来への青写真を示してくれる。高度なセンサーを用いた選別システムや効率的な製錬技術は、インドのリサイクル基準の向上に貢献し、環境負荷を低減しながら高品質な製品を生み出すことを可能にしている」
――日本とインドの今後については。
「われわれが8月末に東京で初開催するIBS2026では、より広範なビジョンを提供し、強靭な二国間サプライチェーンの構築を目指したい。インドは製造業の成長に不可欠な高品質の原材料の安定供給を確保でき、日本は余剰資源の信頼できる輸出先と、世界で最も急速に成長している経済圏の一つにおける戦略的な足がかりを得ることができる。この相互依存関係は長期的な安定を促進し、単なる取引的な貿易を戦略的パートナーシップへと転換させることができ、サステナブルな関係構築こそが期待される」
(服部 友裕)
――インドの金属業界の現状は。
「インドの粗鋼生産量は2025年で約1億6500万トンだが、30年には約倍となる3億トンに拡大することが予想されている。鉄鋼だけでなく、インドの金属市場は銅やアルミなどの非鉄金属も含めて、大きく成長を遂げているところだ」
――鉄・非鉄のスクラップ需要については。
「足元の鉄スクラップの需要は年間約4000万―4200万トンほどだが、30年には6000万―6500万トンに拡大することが見込まれている。アルミスクラップの需要も年間約220万トンから30年に400万トンに増加し、銅スクラップは約54万トンから30年に120万トンに増加する見込みだ。全ての金属スクラップ需要が増加すると予測されている」
――インド国内における金属スクラップの発生は。
「鉄スクラップの国内発生量は24年度で年間約3000万―3500万トンだが、30年度までに4700万―5000万トンに拡大すると予想されている。ただ、アルミスクラップの発生量は同約40万トン、銅スクラップも同約40万トンにとどまり、国内発生の増加にはまだまだ時間を要する。そのため依然として原料の多くを輸入に頼っているのが現状だ」
――日本企業がインドに投資するメリットは。
「インドのリサイクル市場は現在、140億ドルを超える規模に成長し、30年までに210億ドルを超える規模になると予測されている。そのため技術革新が急速に求められており、インド側としては成長の初期段階にある現段階での投資は特に魅力的に感じている。日本にとってインドとの協力は、安定した大量市場へのアクセス権を確保することにつながる。サプライチェーンの混乱や地政学的不確実性がまん延する世界において、貴重な資産になり得ると言えるだろう」
――インドにはどのような企業があるのか。
「影響力のある鉄鋼や非鉄に関連するリサイクル企業は数多くあるが、代表的な企業をご紹介したい。世界的なスクラップ商社であるMTCグループや、鉛・アルミ・プラスチックの多国籍リサイクル企業であるグラビタ・インディア、銅製造・リサイクル大手のバギャナガル・インディア、鉛二次合金の有力企業であるポンディ・オキサイド・アンド・ケミカルズ(POCL)、インド最大のアルミ・亜鉛合金メーカーのCMRグリーンテクノロジーズ、循環型ビジネスを基盤とした酸化亜鉛メーカーのJGケミカルズ、インドにおける非鉄リサイクルの先駆者的存在であるジェイン・メタル・コーポレーション、高強度特殊鋼メーカーのラージプタナ・スチールなどがある。これらの企業は8月末に東京で開催される国際ビジネスサミット(IBS)2026にも参加を予定している」
――それらはどのような企業なのか。
「これらの企業は、インドのリサイクル分野におけるESGを重視する優良企業として、透明性と信頼性を提供している。例えばMTCグループは24年末に、三井物産から1億3500万ドルの出資を受けた。この連携により高効率製錬や精密金属選別といった先進的な日本の技術をインド市場に導入し、回収率を大幅に向上させ、環境負荷を低減させた。日本企業との連携の成功例と言えるだろう」
――日本とのパートナーシップの強化を期待している。
「その通りだ。単なる貿易での関係性にとどまらず、技術シナジーも期待できる。高純度リサイクルと低炭素処理における日本のリーダーシップは、われわれに未来への青写真を示してくれる。高度なセンサーを用いた選別システムや効率的な製錬技術は、インドのリサイクル基準の向上に貢献し、環境負荷を低減しながら高品質な製品を生み出すことを可能にしている」
――日本とインドの今後については。
「われわれが8月末に東京で初開催するIBS2026では、より広範なビジョンを提供し、強靭な二国間サプライチェーンの構築を目指したい。インドは製造業の成長に不可欠な高品質の原材料の安定供給を確保でき、日本は余剰資源の信頼できる輸出先と、世界で最も急速に成長している経済圏の一つにおける戦略的な足がかりを得ることができる。この相互依存関係は長期的な安定を促進し、単なる取引的な貿易を戦略的パートナーシップへと転換させることができ、サステナブルな関係構築こそが期待される」
(服部 友裕)
















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