2009年鉄鋼業界10大ニュース

日刊産業新聞　2009年12月21日

１　歴史的減産

　需要急減のなかで、新日本製鉄、ＪＦＥスチールが高炉休止に踏み切り、粗鋼生産が一時40年ぶりの低水準に落ち込んだ。

　自動車鋼板が7年ぶりに値下げ決着したほか、内外で鋼材市況が下落。西岡金属、堂島鋼業が経営破たんするなど流通再編が進んだ。

　中国はインフラ整備など内需拡大を軸に6月以降、年率6億トンに生産レベルを上げた。鉄鉱石輸入も年6億トンペースに拡大し、原料炭は純輸入に転じた。

　インドネシアで合弁一貫製鉄所建設に踏み切るなど、能力拡大投資を継続する方針を示した。

　長期の革新的プロセス開発を進める一方、2020年までにＣＯ２排出量を500万トン削減する計画を公表した。

　自動車鋼板の技術供与、ＪＳＷスチールの新製鉄所計画への参画など、幅広い案件の具体化に向けた協議に入った。

　1兆円を超える統合効果をうたうものの、世界の鉄鋼業界が強く反対し、今後の当局の審査が焦点になる。

　懸案の電炉再編進展期待も、一部製品のシェアを巡り公正取引委員会の審査が長期化し、統合が白紙に。

　東部製鉄の熱延ミル、東国製鋼の厚板ミル稼働に続き、現代製鉄が厚板ミルなど一貫製鉄設備を順次稼働する。

　熱延ミルを先行稼働し、年明けには新電炉を立ち上げ、一貫操業に移行する。

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