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金融危機に伴う景気後退で需要、供給ともに低迷が続くマグネシウム。世界市場開拓のためには何が必要か。来日した国際マグネシウム協会(IMA)のグレッグ・パッツァー事務総長に話を聞いた。
「需要、供給ともに本格的な回復は期待しにくい。使用量の多いアルミ合金の添加剤およびダイカスト向けが大幅に減退しているからだ。自動車市場の深刻な冷え込みが主因で、年内は横ばい推移する可能性が大きい。一方で、アップル社のアイポッドに採用されたように、パソコンや携帯電話など電子機器の筐体としての需要は今後も伸長するだろう。ニッチ市場である医療機器向けも自動車に比べ落ち込みが小さく、さらなる需要増が期待できそうだ。中国ではマグネ合金およびダイカスト産業が成長を続けており、内需を刺激するだろう。中国精錬メーカーの合併はゆっくりと進展しており、当面は供給力過剰が解消されそうにない」
マグネ市場 当面は供給過剰/中国一極集中リスク
国際マグネシウム協会 グレッグ・パッツァー事務総長
日刊産業新聞 2010年03月10日金融危機に伴う景気後退で需要、供給ともに低迷が続くマグネシウム。世界市場開拓のためには何が必要か。来日した国際マグネシウム協会(IMA)のグレッグ・パッツァー事務総長に話を聞いた。
――2010年の世界マグネ市場をどうみる。
「需要、供給ともに本格的な回復は期待しにくい。使用量の多いアルミ合金の添加剤およびダイカスト向けが大幅に減退しているからだ。自動車市場の深刻な冷え込みが主因で、年内は横ばい推移する可能性が大きい。一方で、アップル社のアイポッドに採用されたように、パソコンや携帯電話など電子機器の筐体としての需要は今後も伸長するだろう。ニッチ市場である医療機器向けも自動車に比べ落ち込みが小さく、さらなる需要増が期待できそうだ。中国ではマグネ合金およびダイカスト産業が成長を続けており、内需を刺激するだろう。中国精錬メーカーの合併はゆっくりと進展しており、当面は供給力過剰が解消されそうにない」