2010年鉄鋼業界10大ニュース

日刊産業新聞　2010年12月20日

１　主原料価格四半期決めに

　年間契約だった鉄鉱石、原料炭の値決めが短期化し、鋼材の値決めにも波及。原料高の転嫁が難航し、鉄鋼会社の収益を圧迫した。

　世界粗鋼は初の14億トンに達するペース。中国は初の6億トンに乗せる勢いで、新興国では拡大基調だが、先進国は低水準にとどまる。

　新日本製鉄が新興国などでグローバル展開を加速。ＪＦＥスチール、住友金属工業、神戸製鋼所も海外の合弁事業などの投資を相次ぎ打ち出した。

　馬田一氏がＪＦＥホールディングス社長、世界鉄鋼協会会長に就任。林田英治氏はＪＦＥスチール社長、日本鉄鋼連盟会長に就いた。

　　現代製鉄が高炉2基、粗鋼年産800万トンの新設備を稼働。ＰＯＳＣＯはインドネシアで初の海外製鉄所に着工するなど、韓国内外で大規模拡張を打ち出す。

　住友商事はウジミナス（ブラジル）の鉄鉱石権益に1600億円の投資を決めた。商社は資源投資のほか、三井物産が米ニューコアと鋼材流通事業を合弁事業化し、住商がマレーシアで油井管加工会社を買収するなど鋼材でも積極投資した。

　神鋼が米国でＩＴｍｋ3の商業1号機を稼働。高炉に代わる新製鉄法を確立し、ベトナム、インドなどで事業展開をめざす。

　新日鉄住金ステンレスが錫を添加した世界初の鋼種、ＦＷシリーズを商品化。ニッケル系、クロム系に続く第3のステンレス鋼種として普及をめざす。

　需要低迷で電炉メーカーの収益が悪化。日新製鋼、日鉄住金鋼板、ＪＦＥ建材のライン集約のほか、日鉄住金建材の小松川鋼機の軽量形鋼事業継承など、加工会社の再編も進んだ。

　メタルワンが五十鈴とスズヤスを統括するメタルワン・サービスセンター・ホールディングスを立ち上げた。内需が縮小する中で流通再編が不可避に。

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