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『乗り物』のアルミ化定着
▼自動車…車両の軽量化加速、環境への対応図る 自動車の本格的アルミ化は、90年のホンダ・NSX以来、全面的なアルミ化が有望視された。しかし、バブル崩壊とともに、コスト最優先から停滞感が継続。その後、環境・リサイクルの必要性から、再びアルミに脚光が集まり、アルミ採用が本格化しつつある。
一方、外国メーカーでは、ドイツ車を中心に、アルミ化が先行。ベンツ(ダイムラークライスラー)、BMW、アウディ、などの各社は、ボディー材も含めたオールアルミカーなどで、環境対応を加速させてきた。しかし、ここにきてフランスやイギリスをはじめとしたその他メーカーにもアルミ化が拡大。プジョー「307」では、ボンネットにアルミパネルを用いる一方、ジャガーは最高級車種「XJ」次世代車で、本格的なアルミ化推進を打ち出すなど、アルミを重視するメーカーは広がる傾向を見せている。 今後の展開としては、パネル材への採用がさらに進むかどうかが重要になる。85年のマツダ「RX―7」でエンジンフードがアルミ化されて以降、自動車メーカーでは00年のインサイトにおけるオールアルミボディー採用など、形やコンセプトを変えながら、パネル材の導入を推進。しかし、アルミパネル材採用は、完全に一般化するまでに至っていない。ただ、トヨタは昨秋、コンセプトカーながら本格的アルミカー「イーエスキュービック」を投入。スぺフレーム、ボディー材にアルミを用い、車両重量700キログラムを実現した。 また、同じトヨタグループのダイハツ工業は、軽自動車「UFE(ユーエフイー)」ボディーにアルミを採用するなど、全面的なアルミ化は射程圏内に入っている。最後は多くの関係者が指摘する「コスト削減がどこまでできるか」ということにかかっている。鉄との単純な価格比較だけでなく、設計段階からどこまでコストを圧縮できるかという課題の克服がカギとなりそうだ。 ▼自転車…宮田工業、新接着法で安定性アップ 自転車は、フレームを中心に、各社ともアルミ化が進展している。本田技研工業の「STEP COMPO」は、アルミダイカスト製モノコックフレームを採用するなど、アルミ材を多用したことで、電動アシスト車ながら17・8キログラムの軽量化を実現させた。
ブリヂストンサイクルは、主力車種「SQアルベルト」で、ハンドル、シートポストなど各パーツ含め全身をアルミ化。スチール製に比べ3キログラム以上軽くすることで、スポーツ車並みの9キログラム台に抑えた。業界初となる空気圧チェック可能な「空気ミハル君」を搭載し、他社との差別化を図っている。
▼オートバイ…国内メーカー、アルミダイカストフレームなど用い燃費向上
ハーレーダビッドソンは、「V―ROD」で、質感が高いアノダイズド・フィニッシュのアルミニウムを採用。
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