2020年6月16日

中国5月、粗鋼初の9000万トン超え 需給緩和懸念強まる

中国の粗鋼生産量が5月に月間の最高を記録した。9227万トンとこれまでの最高の前年同月を4・2%上回り、初めて9000万トンを超えた。需要が回復し、鋼材市況が上がったことで鉄鋼企業が利益を取り戻そうとしている。5月の全国人民代表大会で政府が打ち出した大型景気対策が拍車を掛け、6月以降も高生産を保つ公算が大きい。市中の鋼材在庫は6月入り後に減少速度が鈍り、鋼材市況は足踏み状態に。年率11億トンに近い粗鋼を内需が吸収し続けられるか疑問視され、鋼材の市況軟化や輸出増加の懸念が強まりそうだ。