2011年3月18日

三井住友伸銅、きょうにも稼働再開

 大手伸銅品メーカーの三井住友金属鉱山伸銅(本社=埼玉県上尾市、原川誠一社長)は、本社工場の稼働を早ければきょう18日にも再開する予定だ。計画停電の影響でフル生産はできないが、他社からの素条提供や発電機の増設により順次稼働。当面は生産量が6―7割になる見通しだが、ユーザーへの安定供給維持に注力する。

 同工場は銅および黄銅の板条を主に生産。地震後にずれが生じた保管設備の補修や計画停電の影響で、稼働を停止していたが、下工程の圧延設備から稼働を再開した。今週末19日までには上工程の鋳造設備も再開する。

 鋳造工程は、いったん原料を溶解すると炉内の溶湯が固まらないように保温し続けなければならず、停電の影響が最も大きい。社内外から発電機を手当てすることで、鋳造炉の保温にめどが立った。

 ただ、発電機の電力供給には限界があるため、停電中は溶湯の量を通常の半分程度に抑える必要があり、上工程の生産量は大幅に制限される。

 圧延工程は、電力が復旧すれば通常に近い操業ができるため、生産能力が上工程を上回る。このほど、同業他社から中間製品の素条の供給を受けることで合意。工場内の仕掛品在庫もあるため、圧延工程の稼働率を上げることで、6―7割の製品生産量を確保できるとみている。







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