神鋼が開発したのは、チタン薄板の表面に特殊処理を行い、酸化被膜を生成させた製品。酸化皮膜を調整することで、従来の同社のチタン建材に比べて、表面の光沢度は約5分の1になり、瓦らしい落ち着いた色調を実現できた。皮膜には耐食性もあるため、酸性雨などの厳しい環境でも、色調が変化するまでの年月を、これまでの2倍以上に延ばせる。新製品は一般的な建材用チタン薄板と同様に量産が可能で、大型の建築物件にも対応できる。皮膜の潤滑性を生かして高いプレス成形性が得られるため、瓦に成形加工する際の生産性の向上も期待できる。
屋根の面積は約2900平方メートルで、使用する瓦は4万枚、チタン重量に換算すると15トン。チタン製瓦にすることで屋根全体の重さを大幅に軽減することができる。通常、粘土製の本瓦に比べチタン製瓦にすると、屋根の重量を14分の1まで軽減することが可能となる。
チタンは鉄や銅、粘土などに比べて軽く、耐久性に優れるため、定期的に屋根をふき替える必要がある寺社・仏閣で瓦材として採用が広がりつつある。価格は他素材に比べ高いものの、一度使えば長期間取り替える必要がないため、結果的に改修費用も安く抑えることができる。近年では東京・浅草の浅草寺が本堂や宝蔵門の屋根に、新日鉄住金のチタン薄板で造った瓦を採用した。


























