2020年2月13日

JFEHD 寺畑副社長 電磁鋼板能力を増強 冷延・表面処理鋼板、缶用鋼板 一部ライン停止

JFEホールディングスは12日、都内で開いた決算説明会で寺畑雅史副社長が、鋼材需要の変化を受けて「収益力強化のためJFEスチールの生産体制の選択と集中を検討してきた」とし、最適な生産体制構築のため、東日本製鉄所の冷延・表面処理鋼板、缶用鋼板について一部ラインの操業を停止する一方で、西日本製鉄所における電磁鋼板の生産能力を増強することを明らかにした。

東日本製鉄所京浜地区で冷延・表面処理鋼板ラインの一部を本年度末に停止する。対象設備はPLTCM(連続酸洗タンデム冷間圧延機)と3CGL(連続溶融亜鉛めっきライン)。

千葉地区の缶用鋼板製造ラインを2022年度めどに停止する。「国内需要が減り、世界的に競争が激化しており、さらなる環境の悪化も想定される」(同)ことからTCM(タンデム冷間圧延機)、CAL(連続焼鈍ライン)、TFL(ティンフリーライン)など冷間圧延以降の缶用鋼板製造設備を停止する。

一方、23年度をめどに西日本製鉄所倉敷地区で電磁鋼板製造ラインを増強し、高性能電磁鋼板の供給量を2倍に引き上げる。自動車向けで中長期的に伸びる市場を捕捉する。 鉄鋼事業の収益環境の悪化を受けて、「国内外の生産体制の見直しを引き続き検討していく」(同)とし、収益改善策を加速する考えだ。

会見要旨は次の通り。

一、京浜の冷延については、これまでに各地区の冷延能力を増強して、京浜の冷延能力をカバーできる形を作り上げてきている。これを踏まえた最適生産体制を見通しての停止であり、足元の生産量を前提としての停止となる。

一、缶用鋼板(ブリキ、ティンフリー、原板のローモ)については、国内の需要が減少し、世界的にも中国を中心に過剰になっていることから競争が激化し、収益が悪化している。中国のさらなる能力増強もあるので、一層の環境悪化も想定される。生き残りをかけて競争力の強化に取り組む。現在、千葉と福山で生産している数量の3分の2程度を福山でカバーすることを考えている。22年度をめどに千葉のラインを休止し、福山にシフトする。ラミネート鋼板など福山の方が対応品種が千葉より幅広い。福山の特段の設備増強は考えていない。

一、電磁鋼板については、自動車用を捕捉していく。投資金額は公表できないが、23年度をめどに高性能を有する無方向性電磁鋼板の供給量を倍にしたいと考えている。

一、粗鋼生産能力を含めた体制については、将来の事業環境も踏まえて、国内外を含めた全体の最適生産体制に向けて見直しを進めているところで、現時点で話をできるものはない。

一、役員報酬についてJFEスチールは昨年11月から一部返上を開始している。ホールディングスは業績悪化、期末配当見送りを受け、2月から7―20%の範囲で実施する。

一、鉄鋼事業は米中貿易摩擦の影響などで厳しい状況が続いているが、単独粗鋼生産量は前回想定並みの2700万トン程度と見込んでいる。セグメント利益は鉄鉱石価格の変動に伴うスプレッドの改善がある一方で棚卸資産評価差などの悪化影響もあり、前回公表通りのゼロとなる見通し。

おすすめ記事(一部広告含む)