2015年10月6日

本紙流通調査(中)/販売回復は来年度以降 今期収益、黒字が過半

産業新聞社・流通取材班が9月下旬に関東、関西地区で実施した鋼材流通アンケートによると、各社の販売数量について2015年度上期は14年度下期と比べ「増加した」との回答率は13・4%と本年3月実施の前回調査よりも9・8ポイント下げた。15年度下期は15年度上期と比べ「増加する」は30・7%で、「横ばい」は54・5%と過半数を占めた。15年度下期は自動車の支給材価格引き下げの影響など懸念材料も散見。販売量は建設分野などでの需要遅滞が続き、回復は16年度以降とみている。収益面では15年度上期見込み、15年度下期見通しとも「黒字」が50%を超え、収益は確保され、「赤字」は回避されていることがわかった。

15年度下期の鉄鋼市場について、中国経済の減速と、これに伴う輸入材流入の拡大などマイナス要素が強まり、市況への悪影響を懸念する見方が強い。

加えて自動車での支給材価格引き下げの影響についても「ある」が61%に達した。輸入材流入の拡大と合わせて、自動車関連での値下がりが、鋼材市況全体の下落に波及するマイナス要素として捉えられている。加えて東京製鉄が9月販売価格を引き下げたこともあって、先安感は払しょくされず、相場の維持に苦慮する指摘は少なくない。

自社の販売数量については、14年度下期と比べて15年度上期見込みは「横ばい」が42・7%とトップだが、「減少」も40%を超えた。15年度下期は15年度上期と比べ「横ばい」は54・5%で前回より8・6ポイント下げた半面、「増加」は30・7%で8・1ポイントアップした。概ね15年度下期も「横ばい」と見ているものの、15年度上期までの減少傾向は下期には若干持ち直すと予想する回答も増えている。

下期に増加が見込まれる需要分野(複数回答)は、「建築」が回答率34・7%でトップで、「土木」が24・6%と続く。東日本大震災の復興やインフラ整備、東京五輪関連で増えると予見している。製造業分野では「自動車」16・1%、「産業機械」8・4%、「造船」7・6%と続き、「建機」は5・1%だった。トヨタ自動車の新型車投入の効果などを見込んで自動車は前回より4・3ポイントアップした。逆に、中国などの需要減退と排ガス規制前の駆け込み需要の反動減が続く建機は3・2ポイント下げた。

各社の収益状況については、15年度上期見込みが「黒字」51・8%、15年度下期見通しは「黒字」が54・5%と、黒字が半数を超えた。「赤字」は15年度下期で3・5%だった。「黒字」の回答は前回調査とほぼ同率となっており、不透明感を増す市場環境の中でも、収益維持は図られている。(鋼材流通チーム)

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