2022年9月21日

鉄鋼業界で働く/女性営業職・室長編/インタビュー(下)/新たな価値届けたい

JFE商事広島支店の自動車鋼材本部西部自動車鋼材部広島自動車鋼材室で室長を務める佐藤めぐ美さん。東京でキャリアを積み、2018年に広島自動車鋼材室へ異動、課長を経て21年に室長に就任した。現在の業務内容、女性が働くことや今後の思いなどについて聞いた。

――初の転勤です。

「これまでずっと東京にいて、異動したことがなかったんです。一から人間関係を構築して、皆の期待に応えなくちゃと思いましたね。新型コロナウイルス感染拡大前だったので、社内外の多くの方が盛大に送り出してくださったのが今も大切な思い出です。『心機一転やるっきゃない!』という気持ちで、18年、広島自動車鋼材室へやって来ました」

――赴任後は。

「取引先によって商慣習も異なります。まずはお客さまのもとへ行き、関係構築を行うとともに、実務把握に努めました。カルチャーショックなどは特になかったですね。その後鉄鋼メーカーと一体になって受注拡大に注力していきました。競合他社との独自性を出すために、中国地区のコイルセンターにおいて、独自のサプライチェーン構築や開発案件のフォローに尽力。お客さま、仕入れ先、コイルセンターと関係各所を巻き込んで課題推進していくことを学びました」

――管理職へ。

「19年に課長に就任しました。これまでは実務を行っていましたが、部下に仕事を任せることになり立場が変わります。つい心配で、初めは自分が実務をやりすぎることもありましたね。当時の室長にフォローしていただきながら、管理職の役割を学んでいきました。また人材育成に重点を置くようになりましたね。東京でも後輩はいましたが、先輩として指導するのと管理職として育成するのは違い、判断力などさまざまなものが求められます。的確な指示が早く出せるよう、常に室員の状況把握に努めるようになりました」

――室長に就任した。

「私が入社した時の働き方とはだいぶ変わったなと実感しています。計6人の部下は皆向上心を持ち、真面目で実直なタイプが多いです。一人一人とのコミュニケーションを心掛けて組織運営をしていますね。若手社員が多いので、しっかりと目標を認識させ、主体的に営業できるように育成しています。この1年で目に見えて成長してくれたのがうれしいです。今後もさらに成長し、JFE商事を支える重要な人材になってほしいと思いますね」

――業界に女性が増えてほしいか。

「そうですね。JFE商事でもダイバーシティーの推進に注力しており、上司と合同のキャリア研修やメンター制の導入など、女性のキャリア支援にも積極的に取り組んでいます。女性の総合職採用では、22年度は40%弱、23年度はさらに増やしていこうとしています。業界でも営業の女性管理職はまだまだ少ないと思いますが、営業の仕事に性別は関係ないと感じています。実際にJFE商事では総合職の女性社員が営業職に配属されるケースが増えていますね。男性と女性、両方がいることによって多様な価値観や発想が生まれます。それを取り入れることが、持続的に成長していく上で重要なことだと思っています」

――今後の目標を。

「室長2年目になりました。これまでは足元の課題達成に注力してきましたが、今後は将来を見据えたあるべき姿を自ら考えて推進していきたいと思います。自動車業界では100年に1度の大変革期という局面を迎えています。カーボンニュートラルや電動化などさまざまな環境変化に対応し、さらなる軽量化に向けた取り組みやDX推進により、お客さまに新しい価値を届けていきたいです。これによりJFEグループの存在意義を高め、国内外での受注拡大を目指していきます」

(芦田 彩)



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