2023年2月17日

非鉄業界で働く 女性マネージャー編 インタビュー(下) 多くの方に認めてほしい

2022年春から、Thai Escorp Ltd.(タイエスコープ)で非鉄部門セールスマネージャーを務める中島未貴さん。神鋼商事から出向中で、日本人とタイ人の上司のもと、国内での経験を生かし業務に取り組んでいる。海外で働いて感じること、非鉄業界で女性が働くことについて考えること、今後の展望などについて聞いた。

――現在の業務を。

「22年4月からタイエスコープに出向し、セールスマネージャーとして、銅板条、空調、自動車ビジネスを担当しています。管理職手前のような立ち位置ですね。20―60代の社員が所属しており、上司はジェネラルマネージャーの日本人男性と、課長のタイ人女性の計2人。現地でのやりとりはタイ人スタッフが主に担当しています。私自身と現地スタッフとのやりとりは基本的に英語です。幸いタイでは新型コロナウイルス禍が早期に落ち着いたので、マスクは継続して着用しているものの日本よりも仕事上動きやすい環境ですね。また日本にいた時のお客さまのタイ支店を担当するというケースが多く、今まで勉強したことを応用できる機会が多いので心強いです。日系企業をはじめとした新規開拓のために自分も動かなければ、と思っています」

――タイの印象は。

「タイの女性は非常に仕事ができる印象です。営業と事務職を合わせると、会社全体の8割は女性。活発に働いていて、男性は少数派なんです。タイはニューハーフ大国ということでも知られていますよね。現在の職場にも性別がクエスチョンな方がおり、それだけ性別に縛られない寛容な国なのだと感じています。数字に関しては日本人のように細かく見ていない部分があると感じるので、なるべくコミュニケーションを大切にして、仕事について相談してもらえる存在になれたらなと。そのためにタイ語で話せるようになりたくて、タイ語教室に通っています。まだ発音を学んでいるところで文字も分からず道のりは長いですが、いつか距離を縮めたいです」

――働いて感じることを。

「日本にいる時よりも関係が近いですね。大事なお客さまはもちろん、それまで取引のなかった方、若い日本人駐在員で同じような業種の方と、ご飯に行ったりゴルフに行ったりしています。他商社の方とお話する機会もあって、世界が広がります。日本とは違って同業他社、異業種の方とのネットワークが広いです」

――大変なことは。

「駐在員は男性が多いので、飲み会にしてもゴルフにしても男性コミュニティーがメインになります。ゴルフでは、私だけ赤ティーで開始しなくちゃいけなくて戸惑ったり、緊張して気を遣ってしまったりすることもあります。そんな環境ではありますが、最近は女友達もできました。物流会社で働く女性と懇意になりアフターヌンティーに行ったり、日系弁護士事務所の女性弁護士の方と知り合い食事をご一緒したりしました。日本で働いていたら出会うことのない業種の方々なので、新鮮です」

――業界にどう変わってほしいか。

「仕事には男性も女性も関係ないと思います。タイ人の女性課長は、子育てをしながらバリバリ働いています。タイでは子育てと仕事を両立しても、周囲から何も思われないし言われないです。それって普通だよね、と私も感じますから。自分にも出産などのライフイベントがあれば、課長のように両立したいです。営業が大好きなので」

――女性管理職について。

「ある時日本で、ダイバーシティーの観点から女性管理職についてどう思うかという意見を目で見る機会がありました。『女性ができるのか』『女性は人事・総務などの管理部門の方が合っている』『女性だからなめられる』といった考えが並んでいて驚きました。実際に管理職に就いて実績を積めば、誰も何も言わないと思うし、問題ないと思います」

――今後の目標を。

「新規開拓に励み、タイ人スタッフとの距離をもっと縮めたいです。皆さんが働きやすい職場にして、誇りを持てるようなグループになるための手伝いがしたいです。既存の業務が多いのですが、新規の仕事も皆でできるようにして、社員全体のモチベーションを上げたいですね。将来的には管理職に就くのが目標です。数字を大きくしたり、できる業務を増やしたりできるようになりたいんです。多くの方々に認めてもらえるよう頑張ります」(芦田 彩)



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