2023年4月7日

日本の特殊鋼/世界に誇る技術の粋/38/流通座談会/下

――業界を見渡すと鉄鋼メーカーの姿も大きく変わりつつある。特殊鋼メーカーに何を求めるか。

久木田「当社を含め多くの流通が、先代、あるいは先々代など、長きにわたってメーカー各社と膝を突き合わせつつ歩んできた。この長い歴史に裏打ちされた信頼関係をともに大切にしたい」

松岳「かつて6社あった高炉メーカーが今は3社へ再編され、主用途の自動車では100年に一度の大変革期が到来している。これまで築き上げてきた強固なサプライチェーンの一端を担うわれわれが持つ機能や良さをないがしろにすることは避けてもらいたい。人とのつながり一つから確実に積み重ねていきたい」

松岳「これまでのサプライチェーンを家で例えると、雨漏りを補修してきた形。これからは建て替えの時代が来るかもしれない。その時に基礎となるものが今までの蓄積。その上に新しいものをみんなで創り上げれば、新しい未来が見えてくるのではないか。日本の特殊鋼が持つ重要性やすばらしさを次の世代にどのように引き継ぐか、そのためには何をすべきか、みんなで話し合わないといけない」




 







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