2024年2月13日

鉄鋼業界で働く/女性調査職編/インタビュー/鉄の奥深さを実感

日本製鉄グループのシンクタンク、日鉄総研(4月1日付で日鉄テクノロジーと経営統合)では、多くの女性が調査業務を中心に第一線で活躍している。ビジネスソリューソン事業部のグローバル鉄鋼情報部ミル調査第二室研究主幹、道園恭子さんと高橋真紀子さんに、入社のきっかけや業務内容、やりがいについて聞いた。

――自己紹介を。

高橋「大学卒業後に電機メーカーで働いたのち、一橋大学大学院商学研究科に入学。マーケティングのゼミに所属しました。卒業後、第二新卒で2011年に入社しました」

道園「高校時代に中国に興味を持ち、神戸商科大学(現兵庫県立大学)国際商学部で中国ビジネスを専攻しました。在学中の交換留学を経て、卒業後は現地の半導体OEMメーカーに就職。帰国後、中国語を使う仕事を目指し、高橋さんと同じ11年に入社しました」

――日鉄総研を選んだ理由は。

道園「まずは中国語を生かせる仕事、そして縁の下の力持ちという感じの仕事がしたくて。母体が大手企業なので安心というのもあります。面接でフィーリングが合うなとも」

高橋「日本の製造業に関わる仕事がしたいと思っていたことや、調査の仕事にも関心があったので選びました。入社試験で面接官からいろいろな調査を行っていると聞き、面白そうだなという印象を持ちましたね」

――入社後は。

道園「コイルセンターや製鉄所の見学に行って業界について学ぶところからはじめました。加工現場を見たことがなかったので、まず大きな設備に驚き、小学生のような気持ちでわくわくしながら見学しました」

高橋「私は製鉄所見学で初めて赤い鉄を見たのが印象的でしたね。自動車・ドラム缶工場に見学に行く機会も。若手社員の研修では、持ち回りでベテラン社員と組んで一つの技術テーマについてプレゼンするという経験もしています」

道園「私たちは特に若手中途入社の第1陣ということもあり、勉強の機会が数多かったです。手厚く指導してもらいましたね」

――業務内容を。

道園「海外鉄鋼業界の動向をウオッチしています。各国の鉄鋼関連政策や需給動向などがメインですね。近年は特にカーボンニュートラル関係で、水素還元やスメルター、CCUSなど新しい技術がどんどん出てきているので、文献を用いて勉強しながら調査しています。中国の不動産バブル崩壊がどう鉄鋼に影響してくるのかも関心の高いテーマです」

高橋「国や地域で言えば、インド・東南アジアの鉄鋼需要が経済成長に伴い伸びており、今後も高い需要の伸びが見込まれるので、その辺りを丁寧に見ていますね。生産能力もこの地域は伸びているため、鉄鋼業と需要家産業、鉄鋼各社の動向を特に注目しています」

――やりがいは。

道園「異動がなく専門性を高められる点が自分に合っていると感じます。定点観測をしているからこそ感じられる変化などもありますよ」

高橋「日々の業務や出張、学会などで多くの方々と知り合う機会が多く、社外のさまざまな方とつながりを持てることに面白みがありますね。そういった方々が頼って仕事を依頼してきてくれることもやりがいを感じます」

道園「頼られるってうれしいですよね」

――大変なことを。

道園「単に鉄鋼業界の情勢といっても、各所からいただくお問い合わせに対し、需要産業や周辺産業、マクロ経済など守備範囲を広く持っておく必要があり大変です。一見、鉄とは全く関係なさそうな分野の調査依頼をいただくことも。鉄の奥深さを痛感しますね」

高橋「海外、特に途上国はしっかりした統計が取られていなかったりします。得られる情報が国によってマチマチだったり、信憑性に疑問符がつくものがあったり。データ1つ取ってくるだけでもなかなか一筋縄にいかない苦労があります」

――女性が働くことについて。

高橋「女性だから大変、働きづらいということは今まで感じたことはありません。2回の産休・育休を経験していますが、家庭と両立しながら働かせていただいています」

道園「私も2回の出産を経て復職し今に至りますが、日鉄総研は女性が活躍しやすい環境が整っていて、子育て中でも無理なく働けますね。私たちが若手女性総合職の第一陣なので、上にロールモデルがいなくて、総合職の女性が今後どんな感じで経験を積んでいくのか……と気になる部分はあります」

高橋「今でこそ新卒社員や管理職に女性がいますが、入社時は周りが男性社員ばかり。どのようにキャリアを積んでいくのか、という疑問はありましたね」

――自身がロールモデルとして見られる立場に。

道園「後輩の目にどう映っているのか不安ですが……模索しながら進んで行きたいと思います」

――女性に増えてほしいか。

道園「同じ女性として、社会で活躍する女性が増えるのは大歓迎です。働き方改革がうまく進めばおのずと女性活躍の場も増えるのではないでしょうか。仕事と家庭の両立は女性サイドだけで実現できるものではないですし」

高橋「日鉄総研の仕事は男女関係なく活躍できますし、勤務形態として在宅も認められているので、女性がより働きやすい環境になってきています」

――今後の目標を。

道園「同じ業務を継続させていただいているので、スペシャリストの道を歩んでいきたいです」

高橋「もっと経験値と知識を深めて、お客さまからのどんな質問にも答えられる頼られる存在になりたいですね」

(芦田 彩)





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