2025年10月7日

鉄鋼業界で働く/女性総合職編 インタビュー/耐火れんがを最適提案

東京貿易グループ、東京貿易マテリアル(本社=東京都中央区、重住寛社長)の栗原優奈さん(営業本部東日本営業部主任)は2018年に入社し、高炉メーカーなどの製造現場に密着して耐火れんがの最適提案・販売を行いながら、新規事業の立ち上げに寄与してきた。栗原さんに鉄鋼業界の印象や働きがい、考え方などを聞いた。

――海外で生まれ、留学も経験している。

「中国の福建省で生まれ、父の仕事の都合で10歳になる前に来日し、その後、法政大学社会学部に入学。大学3年生時には米国・ボストン大学に留学し、各国の留学生と知り合うなどさまざまな経験を積むことができました。小さい頃から異なる言語や文化に向き合い、全身全霊でコミュニケーションを取り、信頼関係を築いてきた経験が仕事に生かされています」

――就職先に商社を選んだ理由は。

「商社は人が最大の資産で、あらゆるジャンルでの挑戦が可能ですし、その結果を自分自身で体得できることに魅力を感じました。就職活動を通じて東京貿易グループを知りました」

――入社後、資材本部に配属された。

「鉄鋼メーカーに耐火れんがを販売する業務に従事しています。まさかれんがを担当するとは思っていませんでしたね(笑)。関東の製鉄所内に事務所を置き、先輩社員と2人で現場に出向き、当社を知ってもらい、事業の拡大と新規事業の立ち上げも形にできました。22歳からの5年間を製鉄所で過ごし、お客さまに育ててもらったことは貴重な経験で、感謝しています。今は中部や関東の製鉄所、東日本の電炉メーカーや精錬メーカーなども担当。日本アドバンスロールが当社グループに入ったことで製鉄用ロールを手掛けるようになり、ビジネスが広がっています」

――鉄鋼メーカーとは日々どのようなやり取りをしているのか。

「高炉メーカー向け耐火れんがは一定規模の発注量があり、売り上げの大きな割合を占めています。お客さまの近くで在庫確認や納期調整を行い、耐火れんがを輸入している中国のパートナー企業と連携を取ります。長寿命化などの要望をヒアリングし、パートナー企業と設計案を提案し、試験採用からフォローすることもあります」

――最近では東京貿易グループ企業との連携を深化させている。

「グループ会社の東京貿易テクノシステムとともに耐火れんがの消耗状態を測定する『耐火物残厚測定システム』をお客さまに提案しています。耐火れんがの減り具合は炉を止めて作業員が計測していましたが、3次元測定技術を活用することで、安全かつ正確に残厚測定を行うことを可能にしました。耐火れんがの販売と合わせて、製造現場の困り事や課題を解決していきたいです」

――新規事業の立ち上げにも携わった。

「先輩社員と使用済みの耐火れんがを回収・再利用するスキームを構築し、事業化に成功しました。使用後の耐火れんがを産廃処理せず、船便による搬送でパートナー企業が粉砕し、土地の造成材に生まれ変わらせています。使用済みれんがの処分に困っていたお客さまの課題を解決するもので、新規事業も若手に任せるムードが当社を含めて東京貿易グループにはあります」

――やりがいの大きさが伝わってくる。

「当社の製品を購入していただいているお客さま、当社が資機材を購入している仕入れ先、ともに働く仲間は大切な存在。








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