2025年12月15日
鉄鋼業界で働く/若手女性営業編 インタビュー/提案力付け頼れる存在に
鋼管流通大手の扶桑鋼管(本社=千葉県浦安市、江村伸一・グループCEO)の北陸支店では、若手女性社員が営業職として活躍している。2024年入社の山崎笑佳さんは、主に建産機メーカーの担当として奮闘する日々が続く。山崎さんに入社までの経緯や業務内容、やりがい、今後の目標などについて聞いた。
――学生時代は。
「部活動一本の学生生活でした。母の影響で柔道を習い始め、高校は地元の石川から兵庫の強豪校に進学し、寮生活をしていました。先輩たちの代から続いていた団体戦での全国大会連覇を私がキャプテンを務めていた代で止めてしまい、悔いが残っています。その後、近畿大学でも全国優勝を目指して毎日練習に励んでいましたが、今となってはもっと勉強をしておけば良かったです(笑)。それでも部活動に励んだ経験は一生の宝物ですね」
――就職活動は。
「大学卒業後は大阪で不動産営業をしていましたが、24年の夏に退職し石川に戻ってきました。扶桑鋼管を知ったきっかけは小松市で行われた転職イベントです。そこで支店長と先輩社員に出会い、北陸支店を見学に行く機会ができました。オフィスや現場の雰囲気の良さに加え、皆さんが会社について丁寧に説明してくださることに好印象を持ち、入社を決めました」
――鉄鋼業界へのイメージは。
「父がコマツで働いており、母もコマツの実業団で柔道をしていました。私も幼少期から工場開放デーに遊びに行くことが多く、建機は身近な存在でしたね。関連する鉄鋼業界にも興味はありました」
――これまでの業務内容について。
「入社直後は業界用語の勉強や伝票作成を行い、仕事の基礎を学びました。先輩が転勤したこともあり、今年1月から担当を持ち、営業を行うようになりました。今でもまだまだですが、当時は本当に分からないことばかりで、先輩やお客さまに教えてもらいながら乗り越えてきました。今ではお客さまと専門的な会話ができるようになってきました」
――印象に残っている仕事を。
「担当を持ち始めた頃に、初めて1人でお客さまとの打ち合わせに行ったことが印象に残っています。業界や鋼管の知識が浅く自信がなかったため、事前に何度も資料を見直し、分からないことは先輩に確認して準備をしました。打ち合わせでは質問に即答できない場面もあり、自分の力不足を感じましたね。それでも『すぐに調べて連絡します』と対応しました。後日、『しっかりと調べてくれてありがとう。助かりました』と言っていただけました。対応次第で少しずつ信頼を築くことができると実感した出来事です」
――仕事のやりがいは。
「自分が携わった案件で、製品が少しずつ形になっていく過程を間近で見られることですね。お客さまからご相談を受けた段階では図面などの構想だったものが、打ち合わせを重ねて材料が決まり、加工が進み、最終的に完成品として現場に納品されます。その一連の流れを見届けられることにやりがいを感じます」
――大変なことは。
「お客さまと工場の間で板挟みになる時です。どうしてもこの納期でというご要望がある一方で、製造ラインがいっぱいで現実的に難しいという状況は営業として非常に苦しいです。ただ、そういう時こそ営業の腕の見せどころです。お客さまの意図を正確に理解し、なぜその納期が必要なのか、どの部分は調整できるのか、本質的なニーズをくみ取り、社内と密に調整しながら何とか折り合いをつけられるようにします。お客さまと現場との間をうまく取り持ったときは達成感がありますね」
――女性営業職について思うことは。
「女性の営業職の方は少ないので、ロールモデルにできる方が少ないです。また、お客さまに気を使わせているのではないかと思うことも多々ありました。実際に働くと社内では性別に関係なく仕事への姿勢や対応力を見てくれる環境だと感じています。社外では女性の営業職に驚いている方もいましたが、自分の仕事に誇りを持ち、その魅力を分かってほしいと専門的なことを教えてくれる人が多いです。女性だからというよりも、若い人材を育てたいという意欲のある方が多くいるように思います」
――業界に変わってほしいことを。
「まだまだ女性社員や若手が少ない印象があります。もっと多様な人材が活用できる環境が整えば、新しい視点や柔軟な発想が業界全体に取り入れられ、さらに業界は進化できると思います。サステナビリティーなどの社会課題にも業界全体で取り組む時代なので、環境に優しい方法や新しい用途への挑戦といった従来の枠を越えた取り組みがさらに広がってほしいですね」
――今後の目標は。
「営業として会社からもお客さまからも頼られる存在になることです。そのためには製品の知識やお客さまの会社理解に加え、工程や品質、物流など違う角度からのご提案ができるようになる必要があります。また、いずれは社内外のメンバーと連携しながら大きなプロジェクトや新製品の立ち上げを自分主体で進められるようになりたいです。常に多角的な視点から物事を見る力をつけたり、ゼロから形にする経験を多く積んでいきたいですね」(石澤 翔太朗)
鉄鋼業界で活躍する女性をはじめとした多様な人材、未来を担う人材を、随時紹介していきます。
――学生時代は。
「部活動一本の学生生活でした。母の影響で柔道を習い始め、高校は地元の石川から兵庫の強豪校に進学し、寮生活をしていました。先輩たちの代から続いていた団体戦での全国大会連覇を私がキャプテンを務めていた代で止めてしまい、悔いが残っています。その後、近畿大学でも全国優勝を目指して毎日練習に励んでいましたが、今となってはもっと勉強をしておけば良かったです(笑)。それでも部活動に励んだ経験は一生の宝物ですね」
――就職活動は。
「大学卒業後は大阪で不動産営業をしていましたが、24年の夏に退職し石川に戻ってきました。扶桑鋼管を知ったきっかけは小松市で行われた転職イベントです。そこで支店長と先輩社員に出会い、北陸支店を見学に行く機会ができました。オフィスや現場の雰囲気の良さに加え、皆さんが会社について丁寧に説明してくださることに好印象を持ち、入社を決めました」
――鉄鋼業界へのイメージは。
「父がコマツで働いており、母もコマツの実業団で柔道をしていました。私も幼少期から工場開放デーに遊びに行くことが多く、建機は身近な存在でしたね。関連する鉄鋼業界にも興味はありました」
――これまでの業務内容について。
「入社直後は業界用語の勉強や伝票作成を行い、仕事の基礎を学びました。先輩が転勤したこともあり、今年1月から担当を持ち、営業を行うようになりました。今でもまだまだですが、当時は本当に分からないことばかりで、先輩やお客さまに教えてもらいながら乗り越えてきました。今ではお客さまと専門的な会話ができるようになってきました」
――印象に残っている仕事を。
「担当を持ち始めた頃に、初めて1人でお客さまとの打ち合わせに行ったことが印象に残っています。業界や鋼管の知識が浅く自信がなかったため、事前に何度も資料を見直し、分からないことは先輩に確認して準備をしました。打ち合わせでは質問に即答できない場面もあり、自分の力不足を感じましたね。それでも『すぐに調べて連絡します』と対応しました。後日、『しっかりと調べてくれてありがとう。助かりました』と言っていただけました。対応次第で少しずつ信頼を築くことができると実感した出来事です」
――仕事のやりがいは。
「自分が携わった案件で、製品が少しずつ形になっていく過程を間近で見られることですね。お客さまからご相談を受けた段階では図面などの構想だったものが、打ち合わせを重ねて材料が決まり、加工が進み、最終的に完成品として現場に納品されます。その一連の流れを見届けられることにやりがいを感じます」
――大変なことは。
「お客さまと工場の間で板挟みになる時です。どうしてもこの納期でというご要望がある一方で、製造ラインがいっぱいで現実的に難しいという状況は営業として非常に苦しいです。ただ、そういう時こそ営業の腕の見せどころです。お客さまの意図を正確に理解し、なぜその納期が必要なのか、どの部分は調整できるのか、本質的なニーズをくみ取り、社内と密に調整しながら何とか折り合いをつけられるようにします。お客さまと現場との間をうまく取り持ったときは達成感がありますね」
――女性営業職について思うことは。
「女性の営業職の方は少ないので、ロールモデルにできる方が少ないです。また、お客さまに気を使わせているのではないかと思うことも多々ありました。実際に働くと社内では性別に関係なく仕事への姿勢や対応力を見てくれる環境だと感じています。社外では女性の営業職に驚いている方もいましたが、自分の仕事に誇りを持ち、その魅力を分かってほしいと専門的なことを教えてくれる人が多いです。女性だからというよりも、若い人材を育てたいという意欲のある方が多くいるように思います」
――業界に変わってほしいことを。
「まだまだ女性社員や若手が少ない印象があります。もっと多様な人材が活用できる環境が整えば、新しい視点や柔軟な発想が業界全体に取り入れられ、さらに業界は進化できると思います。サステナビリティーなどの社会課題にも業界全体で取り組む時代なので、環境に優しい方法や新しい用途への挑戦といった従来の枠を越えた取り組みがさらに広がってほしいですね」
――今後の目標は。
「営業として会社からもお客さまからも頼られる存在になることです。そのためには製品の知識やお客さまの会社理解に加え、工程や品質、物流など違う角度からのご提案ができるようになる必要があります。また、いずれは社内外のメンバーと連携しながら大きなプロジェクトや新製品の立ち上げを自分主体で進められるようになりたいです。常に多角的な視点から物事を見る力をつけたり、ゼロから形にする経験を多く積んでいきたいですね」(石澤 翔太朗)
鉄鋼業界で活躍する女性をはじめとした多様な人材、未来を担う人材を、随時紹介していきます。












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