2024年3月12日

鉄鋼業界で働く/女性現業職編/インタビュー/初の女性班長として活躍

ステンレス溶接鋼管大手のモリ工業では、河内長野工場(大阪府河内長野市)の第一製造部第四課包装一班で塚本瑛子さんが同社女性初の班長として活躍している。自動車部品などに使われるパイプの検品業務を担う塚本さんに業務内容やライフイベント、今後の目標などについて話を聞いた。

――入社までの経緯から。

「2008年に河内長野工場がある地元の普通科高校を卒業し、当社に入社しました。3人の兄が高校卒業後から働き出しているのを間近で見ていたこともあり、進学せずに就職の道を選びました。就職活動の際は、高校に何社か工場見学の案内が届き、当社もその中にあったので見学に行きました。地元で大きい会社ということもあり、もともと知っていましたが工場での選別作業の様子を見たときに、作業員のみなさんが一つの方向に向かって仕事している姿を見て入社を決めました。パソコンなど事務系の仕事には苦手意識があったので、現場での仕事を希望していましたね。幼いころから裁縫や編み物など製作するのが好きで、一度始めると手が止まらない性格でした」

――入社後は。

「自動車部品などに使われる短尺パイプの検品作業を担当しました。検品から梱包、出荷までを行う部署です。キズの選別にはさまざまな基準があり、最初のころは不良品の見極めが難しかったです。その都度先輩に聞いて、見てを繰り返していました。この部署には約12年間在籍しました。入社時から検品の部署には女性が多かったです」

――その後、現在の部署へ。

「短尺物から長尺物の検品を担当することになりました。作業的にはこれまでと変わらないのですが、最後の梱包方法が違い、慣れるまでは大変でした」

――21年に同社初となる女性班長に。

「上司から『班長になってみないか』と打診があり、正直驚きましたが、いろんなことに挑戦してみたいという気持ちがあったのでうれしかったです。現在は15人が在籍し、そのうち9人が女性です。20歳代前半の若手から定年間近のベテラン社員までいて、私はちょうど中間の年齢にあたります」

――心掛けていることは。

「一人一人にあいさつすることです。年上、年下関係なく、個々の性格を見てコミュニケーションを取るようにしています。職場の雰囲気はみんな和気あいあいとしており、やるときはやるメリハリがあります。男女関係なく、みんなが何でもこなせるようになってほしいですね」

――大変なことは。

「出荷時期が迫っている中、検査作業に追われながら数をこなし、同時に品質も維持することです。長尺物であれば1日に1000―1500本、短尺物であれば8000―1万本を1人で検査します。納期に関しては営業の部署と関わる機会も多く、私たちの前の工程でも調整が入ることがあり、計画通りには行かず、イレギュラーなことが発生することもあります。日頃から部署内外でコミュニケーションを取ることが大切だと感じています」

――産休・育休を2回取得した。

「12年前に第一子を出産しました。妊娠初期のころから重たいものは持てなかったので、周りの方々にサポートしていただいていました。1年の産休・育休を経て復帰しました。子どもの急な病気や通院、保育園の送り迎えで途中退勤することも多く、申し訳ない気持ちがありました。ですが、女性が多いこともあり、理解してもらいながら仕事を続けることができました。2年後に第二子を出産し、休暇取得後は時短制度を使わずフルタイムで働きました。子どもを出産しても仕事を辞めることは一切考えず、自分の性格的にも働き続ける方が合っているなと思います」

――この仕事の魅力は。

「一見、個人作業のようにも思えますが、出荷作業までチームワークが必要です。納期が近いときや他部署との関わりなど大変なこともありますが、上手くいったときは達成感があります。そして、育休・産休を取得した後でも戻りやすい環境で、当時の私にとっても非常にありがたかったです。この仕事は製品出荷前の最終工程で、女性ならではの細かい気づきが会社としても安心してもらっています」

――今後の目標を。

「どの工程でキズがついたのかなど、分析できるようにさらに知識を付けていきたいです。男女関係なく積極性や好奇心のある人にぜひ入社してもらいたいですね。『こういうことに挑戦してみたい』という人の声を拾い、誰もが働きやすい職場環境を作っていきたいです」(篠原 沙綾)



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