トップ > 鉄・非鉄スクラップ特集 > 鉄スクラップ

丸紅テツゲンの戦略
今年度過去最高益へ/大林啓二社長に聞く

日刊産業新聞 11/7/12

 丸紅テツゲン(本社=東京都新宿区、大林啓二社長)は、2011年度の経常利益を16億―17億円と過去最高利益を目指す。鉄スクラップ事業と合金鉄事業は供給網の拡充を図り、昨年度から進めているレアアース事業は事業化へ向け着実に準備を進めていく。11年度の業績目標や事業動向などを大林社長に聞いた。

 ――10年度の業績から。

 「全社ベースの業績は売上高が09年度比約17%増の1400億円、経常利益は5%増の15億円で過去最高だった。日本国内がリーマン・ショックから立ち直り、経済が回復基調にあった中、主に合金鉄事業が非常に好調で増収増益に貢献した」

 ――11年度の業績目標を。

 「東日本大震災が起こる前に策定した数値だが、11年度は売上高1700億―1800億円、経常利益は過去最高の16億―17億円を目標としている。ただし、震災により東北地区の電炉メーカー3社が被災し操業停止となっただけではなく、自動車の生産台数が大幅に落ち込むなど、当然だが4―6月期に関しては当初と違うシナリオとなった。先行きは不透明だが、今のような状態がずっと続くとは思わない。復興需要が少しでも表に出てくれば状況は変わるのでは。企業として利益の確保は当たり前のことだが、当面はNPOの精神で、当社の事業が被災地の復興・復旧へ少しでも貢献できればという気持ちだ」

 ――鉄スクラップの取扱量に関して。

 「10年度は09年度比4%減の約250万トンだった。中国の大幅な輸入減や東日本大震災などが影響した。取扱量の内訳は国内向けが200万トンで、貿易(輸出、輸入、三国間の合計)が50万トン。昨夏より為替が急激に円高となったが、鉄スクラップの輸出を得意としている当社にとっては向かい風だった。11年度の目標値は国内と貿易合わせて270万―280万トンに設定している」

 ――鉄スクラップ事業における11年度の重点課題は。

 「10年度と変わらないが、市中ヤードディーラーとの連携強化と、全国11カ所にある船積み拠点を活用した供給網の拡充だ。供給網を拡充し鉄鋼メーカーの要望に応えていきたい。船積み拠点に関しては、当社にとって都合の良い用地が見つかれば、すぐにでも増設したいと考えている。国内全体の鉄スクラップ需要が低調に推移している中、当社が開設している船積みヤードをきっかけに市中ヤードディーラーとのアライアンスを一層強化していきたい」

 ――鉄スクラップの海外市場をどう見る。

 「韓国や中国、台湾は当面、日本からの鉄スクラップ輸入を継続するとみているが、中国に関しては先行きが不透明な部分が多いため注意しなくてはならない。中長期的には、成長が著しいベトナムが日本の新たな輸出先になるとにらんでいる。将来的には現地への駐在員派遣や、揚げ港ヤードの開設も視野に入れたい」

 ――合金鉄事業は設備投資も視野に入れている。

 「合金鉄事業に関しては11年度、フェロクロムやモリブデン、ニッケルなどの取扱数量を着実に増大させていきたい。トレードが安定的に行えるよう、必要に応じて設備投資も視野に入れている。ただ大事なのは、単純に合金鉄の製造設備を立ち上げたりするのではなく、使用原料の確保も視野に入れた上で、設備を有効に活用しながら競争力のある供給網を構築することだ」

 ――昨年度から事業化へ向け準備を進めている、レアアース回収事業の進ちょくを。

 「新規鉱山から採掘されるレアアースの取り扱い、鉱石の残渣からの回収、ハイブリッド車などに採用されているモーターからの回収と3本立てで準備を進めているが、それぞれ多少時間を要しているが着実に進ちょくしている。モーターからの回収は現在、数社と共同で実験段階に入っている」

 ――数年前から、トンネル工事に使用する裏込材の技術や材料を販売しているが。

 「当社が取り扱っている裏込材には劣化の少ないベントナイト系遮水材が含まれており、これまでトルコのボスポラス海峡トンネル、ドバイの地下鉄工事に採用されてきた。東南アジアを中心とした地下鉄、新幹線案件で高いポテンシャリティーがあり着実に実績を伸ばしている。レアアース回収事業と併せて、鉄スクラップ、合金鉄に次ぐ第3の柱事業となるように育てていきたい」

・ 関連記事などは日刊産業新聞をご覧下さい → 購読申し込み
・ 記事は、記事データベース検索サービス(有料)でも閲覧できます  → 記事検索

 注目の鉄スクラップ関連ニュース
山陽、加西にメガソーラー 13/03/18
鉄スクラップ1―3月見通し 輸出、前年上回る高水準 13/02/19
富士繁、八王子工場が営業開始 13/01/29
鉄スクラップ1―3月見通し 輸出、前年上回る高水準 13/02/19
富士繁、八王子工場が営業開始 13/01/29
イボキン、尼崎にヤード新設 12/12/21
共栄、水島工場の主要設備を一新 12/11/26
インド、鉄スクラップ輸入量78%増 12/11/06
ナベショー、マンション事業好調 鉄スクラップ事業と相乗効果 12/10/24
大都、大阪・南港に営業所新設 12/10/18
縮小する鉄スクラップ市場 生き残りをかけて/上 12/09/26
扶和メタル、埼玉に新ヤード開設 12/08/06
青函連絡船「羊蹄丸」解体へ 12/07/13
「鉄スクラップの日」 日本鉄リサイクル工業会 影島一吉新会長に聞く 12/06/29
新日鉄・広畑、鉄スクラップ 外部玉に依存せず 12/06/25
中国、鉄スクラップ利用拡大 鉄鋼備蓄、15年100億トンへ 12/05/11
ナベショー、中古機械取引を本格化 売買仲介サイト立上げ 12/04/20
2020年廃車発生 3割減試算 シュレッダー稼働率30%割れ 12/03/27
共栄、水島工場の設備一新 12/03/07
メッツォ・ジャパン、アジアでグループ連携 12/02/21
鉄スクラップ需要、電炉増加見込み 12/01/13
鉄スクラップ市場動向を聞く/増井重紀・扶和メタルUSA社長 11/12/28
東金属、再生手続き開始 ヤマダ電機がスポンサー契約 11/11/28
オカガミ、今期扱い3万トン計画 11/11/15
鉄スクラップ市況、東西で3万円割れ 1年ぶり 11/10/26
韓国鉄スクラップ業界、ヤード許可制に戸惑い 11/09/13
税関別鉄スクラップ輸出 1―6月 11/08/17
丸紅テツゲンの戦略/大林啓二社長に聞く 11/07/12
東京製鉄の購買戦略/鉄スクラップ市況は海外牽引 11/06/23
東北3県、鉄スクラップ89万4000トン 回収量を試算 11/05/24
エンビプロHD、長野大手を完全子会社化 11/04/21
上級新断スクラップ、鋳造向け需給ひっ迫 11/03/30
中山鋼業、低級原料で高品質製品 11/02/10
産業振興、ヤード開設拡張相次ぐ 11/01/12
伊藤忠商事、大連にリサイクル拠点 10/12/27
平林金属、玉島物流拠点が完成 鉄スクラップ在庫集約 10/11/10
大都、助松埠頭のヤード拡張 工場誘致も検討 10/10/29
本紙鉄スクラップ企業調査 下期市況は強弱両含み 10/09/16
マキウラ鋼業、金属選別ライン増強 10/08/25
廃車鉄スクラップ、09年発生7%増 204万トン 10/07/27
メタルワン建材、川崎第2ヤード開設 10/06/29
三井物産、資源投資を積極化 10/05/25
丸紅テツゲン、供給網拡充に重点 10/04/27
鉄スクラップ、中・韓・台が主導権 10/03/18
ナベショー、鉄スクラップ取扱量 6年連続200万トン超 10/02/26
岐路に立つ 鉄スクラップ業界/鉄スクラップ輸出、合理的仕組み構築カギ 10/01/14
岐路に立つ 鉄スクラップ業界/鉄スクラップ市場、国内低迷もアジア活況 10/01/14
三井物産メタルズ 堺事業所、廃車処理から撤退 09/12/15
日本鉄スクラップシンポジウム(5)パネル討論/アジアの鉄スクラップ市場はどのように変貌をとげるのか 09/11/24
日本鉄スクラップシンポジウム(4)テーマ別講演/世界の鉄スクラップ需給見通し 09/11/24
日本鉄スクラップシンポジウム(3)テーマ別講演/世界の鉄鋼需給見通し 09/11/24
日本鉄スクラップシンポジウム(2)テーマ別講演/日本経済の現状と鉄鋼産業の今後の方向性 09/11/24
日本鉄スクラップシンポジウム(1)東部製鉄社長・特別講演 09/11/24
電炉・鉄スクラップ 混迷する業界(上) 09/10/07
JFES・京浜シャフト炉再稼働 鉄スクラップ、需給タイト化も 09/9/07
鉄スクラップ、1―6月消費半減 09/8/13
日本鉄リサイクル工業会 全国インタビュー 09/7/1
高炉大手、鉄スクラップ購入再開 09/6/2
鉄スクラップ 国内消費7年ぶり減 09/5/21
鉄スクラップ輸出7倍 1―3月 大阪湾岸 09/4/15
鉄スクラップ、輸出次第で国内上伸も 09/3/25
ダイワスチール、スクラップヤード拡張 09/2/27
鉄スクラップ、炉前価格が反発局面 09/1/14
JFEスチール・京浜、鉄スクラップ利用促進 08/12/17
山本資源、ベトナム進出 初の海外進出 08/11/12
激化する資源調達戦 鉄スクラップ新時代/(1)貴重な金属資源 08/8/21
日本鉄リサイクル工業会 中辻恒文会長インタビュー 08/7/1
韓国、鉄スクラップ需要600万トン発生 08/6/10
鉄スクラップ “6万円時代”到来 08/4/14
大原商事、スクラップ事業に本格参入 08/3/31
鉄スクラップ関西共同輸出入札、過去最高値 08/2/27
三井物産金属原料と三井物産非鉄販売、合併 08/1/31
丸紅テツゲン、蒲郡にヤード開設 07/12/20
JFEスチール、京浜に導入/大型シュレッダー設備 07/11/08
ステンレススクラップ 大阪、半年ぶり上昇 07/10/02
扶和メタル、米国進出 07/09/03
栗本鉄工、飲料缶リサイクル子会社 田口金属に売却 07/08/27
新日鉄、大分に新設 国内最大規模シュレッダー 07/07/12
変貌する鉄スクラップ市場―需要拡大とグローバル化/(1) 価格決定権、海外に 07/06/13
鉄スクラップ国際市場 需給再びタイト化へ/トルコ・韓国 米産手当て再開 07/05/02
鉄スクラップ関東炉前価格 3カ月ぶり下げ/輸出配船が低迷 07/04/27
鉄スクラップ、一部で値下げ 大阪 07/04/27
国内購入3000万トン突破/06年鉄スクラップ、東北除き前年上回る 07/04/24
地域別鉄スクラップ輸出 06年、国内高で6%減/北陸・近畿・中四国は増加 07/04/16
東港金属、最新シャー稼働順調/スクラップ処理 月5000トンに拡大へ 07/04/16
3地区電炉買値前週比300円上昇/4月2週 鉄源協 07/04/16
大阪、4万円目前/鉄スクラップ市況 メーカー手当て積極化 07/04/16
関東地区の鉄スクラップ相場 いぜん様子見状態 07/04/16
日本産鉄スクラップ 輸出相場、調整局面に/海外市況が軟調化 07/04/13
韓国鉄スクラップ市況 下げ局面強まる/POSCO、買値2万ウォン引下げ 07/04/12
マキウラ鋼業、シュレッダープラント一新/廃車リサイクルを強化 07/04/10
ステンレススクラップ、初の40万円突破/約1年で30万円上昇 07/03/19
輸出価格が過去最高 関東鉄源協/4月積み3万6000円 07/03/14
鉄スクラップ06年消費4900万トンに増/転炉向け6%アップ 07/02/19
東アジア・鉄スクラップ市場 07年も活況 07/02/15
06年輸出が過去最高/鉄スクラップ765万トン/中国向け20%減 07/02/02
鉄スクラップ 3万円時代到来/<上> 資源価値の高まり映す 06/12/27
鉄スクラップ 3万円時代到来/ <中> 関東鉄源協同組合 渡辺淳理事長に聞く 06/12/28
鉄スクラップ 3万円時代到来/ <下> 関西鉄源連合会 黒川友二会長に聞く 06/12/29
電炉・鉄スクラップ業界の課題と展望/ <上> 座談会 06/04/11
電炉・鉄スクラップ業界の課題と展望/ <中> 「電炉構改」進め競争力を 06/04/12
電炉・鉄スクラップ業界の課題と展望/ <下> 環境リサイクル飛躍に期待 06/04/13