2015年12月3日

産業技術短大が複製 世界初のガソリン自動車「ベンツ1号車」 大阪モーターショーに出展

 産業技術短期大学(兵庫県尼崎市)は30日、製作プロジェクトを進めてきた世界で最初のガソリン自動車「ベンツ・パテントモトールヴァーゲン」の複製が完成し、4日に開幕する「第9回大阪モーターショー」(インテックス大阪)に出展すると発表した。

 「ベンツ・パテントモトールヴァーゲン」(ベンツ1号車)は、メルセデス・ベンツの基礎を築いたドイツの技術者カールベンツが1886年に発明したとされる。130年前に生まれた世界初のガソリン自動車を細部まで再現するため、産技短大の「ものづくりプロジェクト」で約1年前から製作を開始した。

 開発を担当したのは、同短大ものづくり創造工学科ものづくり工作センターの久保田憲司講師とプロジェクトの学生たち。まずトヨタ博物館に展示保存されているレプリカの計測から始まり、目視で確認できない部分は推測しながら図面化した。

 鋼管メインフレームの加熱曲げ加工をはじめ、シート、棒ハンドル、燃料・冷却水のタンク、車輪(リム・スポーク)、鋳造による軸受け、デファレンシャルギアなど可能な部品製作のすべてをプロジェクトチームによる手作りで行った。

 30日に同短大で記者発表を行い小島彰学長、久保田講師も出席し、完成したばかりの車両が報道陣に公開された。久保田講師は「世界で最初にガソリン自動車を発明したのがカールベンツだが、意外にもほとんど知られていない。学生たちも勉強しながら一からこのベンツ1号車を製作した。自動車の原点を多くの自動車ファンに知ってもらい、プロジェクトの成果を大阪モーターショーで実際に見ていただきたい」と話している。







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