2016年3月9日

再建に向け始動した「庚申さん」 伸銅メーカー有志が参詣

 真鍮(黄銅)開祖で知られる庚申山広徳寺(滋賀県甲賀市)に7日、伸銅メーカー関係者ら有志10人が参詣した。地元関係者の案内を受け、先人が寄進した文化財や碑などを視察。今年着工が予定されている本堂再建に向けて、江戸時代から銅業者が受け継いできた信仰をあらためて確認した。

 地元からは船原広照住職と信徒総代・区長ら11人が参加。田中喜克区長は再建への経緯と予算状況、今後の再建スケジュールが説明され、「ご篤志を頂ければこれまでの仲開扉行事と同様に、記念碑の銅板にご芳名を刻む用意を進めている。また、銅関係の資材でもご協力頂ければ」と懇願した。

 現場視察では12年に一度の仲開扉(本尊開帳)行事に当たって伸銅メーカー・伸銅品問屋・原料問屋の寄進によって建立された記念碑、伊勢湾台風復興記念の銅灯篭、銅像、頌徳碑、地元住民と共同寄進した梵鐘などを見学。焼失して、再建が予定されている本堂跡を巡った。

 「庚申さん」として伸銅業界で親しまれている広徳寺は、安土桃山時代に真鍮を発明した伝承があり、江戸時代から今日に至るまで全国の銅業者が寄進を行ってきた。2013年4月に漏電で本堂を全焼し、昨年からは地元住民が「庚申山再建復興委員会」を結成。ホームページ「山上庚申さん」(http://www.koushinsan.jp/)を立ち上げるなど、再建に向けた活動に尽力している。

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