SANGYO SHIMBUN 90th ANNIVERSARY
INTERVIEW STORY
Portraits of Strategy

マイクロ波化学の金属製錬 製鉄向けプロセス開発

2026.06.10 / 2 min read
Special Partnership
OFFICIAL PARTNER
Strategy Portrait
激動の時代において、不変の価値とは何か。
最前線で舵を取るリーダーが、その胸中を明かす。
 マイクロ波化学は2040年以降の実機化に向けて製鉄向けプロセスを開発する方針だ。標準ベンチ装置で検証、鉄鉱石還元の実績を上げており、並行して日本の鉄鋼会社、エンジニアリング会社などと複数の異なるテーマの共同開発を展開している。脱炭素のプロセス変革を進める製鉄業界で選択肢として残る要素技術を磨きながら、変数が多く残る中で将来の業界の多様な展開を想定し、今後は海外鉄鋼メーカーとの連携も視野に、柔軟にプロセスを開発する。

 塚原保徳CSO(最高科学責任者)によると、マイクロ波の工業利用で先行した化学品、近く実機化見込みのレアメタルや非鉄金属に比べて製鉄向けの実機化は時間がかかる。高炉、電炉からシャフト炉による水素還元まで将来主流になる設備や技術、事業者の課題意識に幅があり、いかようにも変わり得る現状は決め打ちが難しいためだ。

 マイクロ波化学はラボレベルで23年に鉄鉱石の還元に成功しており、2年前に導入した金属共通の標準ベンチ設備で鉄鉱石の還元に成功したと5月に発表した。

 次のステップについて塚原氏は、回転炉床炉でほぼ共通する非鉄金属系に対して、製鉄は規模もはるかに大きいため異なるプロセスが必要という。進行中の共同開発でもパートナーそれぞれが異なる課題を設定しており、今後も対話や共同研究を積み重ねて業界の課題を探り、解決するプロセスを開発する。

 マイクロ波化学は約20年で化学品などの工業利用に実績を上げてきた。顧客ごとに異なるカスタマイズ品対応だった従来の取り組みから脱し、企業として成長度を上げるため、共通プロセスなど量産品対応の新たな戦略として金属製錬・鉱山プロセスとケミカルリサイクル分野を強化している。

 金属系はリチウム、レアメタル、鉄、ニッケル、アルミ、銅、ベリリウムなどを対象とし、非鉄系は30年付近の実機化を目指している目標に含まれるという。規模の巨大な製鉄はかねて本丸として重視し、非鉄系などで技術、量産ノウハウを積み重ねた上で、再生可能エネルギー使用で90%超のCO2削減が可能な技術を武器に脱炭素化を課題とする鉄鋼業に食い込みたい考え。



BACK TO TOP 90周年特設サイトへ戻る
次代を創る、
働き方のヒント。