2022年7月5日

鉄鋼業界で働く/―女性営業職編― インタビュー/土台づくり参画に意欲

神鋼商事の鉄鋼本部自動車部品部名古屋グループでは、入社5年目の吉井佑佳さんが才気煥発、はつらつとしたコミュニケーションも武器に営業の最前線で活躍している。NGO参加など豊富な海外体験で培われた社会貢献の精神も根底に、真摯な姿勢で仕事に臨みながら楽しむことも忘れない、芯のある人柄が魅力な吉井さんに、赴任から1年半が経った名古屋での今や、今後の目標などを聞いた。



――現在の仕事の内容を教えてください。



「自動車部品部名古屋グループは部長以下、グループ長に営業担当が3人、アシスタントが4人で構成され、私はボルト・ナットと呼ばれる締結のファスナー製品を中心とする自動車部品を扱っており、その過半を海外の日系ユーザーに供給しています。輸出代行のような業務も多く、私は現在タイ、インドネシア、ドイツ、チェコを担当しており、先方のキーマンが日本人であれば日本語で済むケースもありますが、注文書などは現地スタッフの方との英語でのやり取りが中心で、日々奮闘しています」



――入社のきっかけは。



「周囲の先輩のイメージから商社に憧れていましたし、大学時代は留学やNGOの活動に興味を持って携わっていたため、英語の勉強に励んでいたことが背景です。特にNGOでは物質的なサポートに終始すると、長い目で見て必ずしもプラスにならないことを知り、むしろビジネスを通じ互いに発展的な関係を持つことの方が、より豊かになるのではと考えた時、この鉄鋼専門商社の業態は思い描いたやりたいことにきれいにはまりました。実際の入社後も、風通しがよく上司とも話しやすい。父が鉄鋼業界におり幼少からその価値観などに馴染んでいたこともあるのかもしれませんが、業務にも従前のイメージとの差異はなかったです。海外にドシドシ行くと思っていた点は少し違いましたが、アフターコロナではまた希望を出していきます(笑)」



――仕事でやりがいを感じる点や、成功体験を教えてください。



「やはりお客さまに『助かったよ、ありがとう』と言われるのが一番うれしいですね。直近では、東南アジアなどビジネス上のルールが変わりやすい国との取引で、新型コロナウイルス禍ではそうしたケースが特に顕著だったんです。インドネシアの鉄鋼製品に関する輸入の厳格化などで都度、仕入れ先、当社、そしてユーザーまでのサプライチェーンをどう再構築するか、新しいルートなどの検討に苦労し、現地日系自動車メーカーの生産に支障を来すことなく乗り越えることができたのも、苦労はいろいろありましたがそういった声で報われています」



――まだまだ女性が少ない業界ですが。



「そもそも女性が少ないため先入観があるのか、営業の引き継ぎなどで驚かれるケースはありましたが、覚えてもらいやすいと考えれば女性であることはむしろメリットです。結局、仕事ぶりで自らの有用性をアピールする必要があることに性別は関係ありません。良くも悪くも女性を特別扱いしない業界だと認識しており、たまの力仕事に難渋することもありますが、今まさに変わりつつある業界だと思うので、どんどん女性に飛び込んできてもらいたいですね」



――今はどんな目標を持っていますか。



「グループの海外比率が高い業務に偏りも感じており、国内も増やしたいです。名古屋に着任してまだ1年半で、当面は腰を据えて仕事に臨めると考えており、その間に当社にとっての何か新しい土台づくりに参画できればと思っています」



――余暇の過ごし方など教えてください。



「今年は名古屋に来てから始めたゴルフを、お客さまとスムーズにラウンドできるよう頑張っています。理想は110ほど…。早く堂々と趣味と言えるまで上達したいです」



(阿部 拓也)

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