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日本製鉄 厚板追加5000円上げ 7月引き受け分販価 累計1.5万円、コスト高続く

2026.06.29 / 2 min read
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日本製鉄は国内厚板の全分野で7月新規引き受け分(9月出荷相当分)から現行価格に対してトン5000円の追加値上げの方針を固め、需要家と流通各社への申し入れを開始しているもようだ。エネルギーコスト、労務費、輸送費、資機材の上昇に加え、戦争リスク保険料の高騰や迂回ルートの常態化といった海上輸送コストの高止まりが続くことから、本年4月引き受け分に続いて値上げを打ち出した。

 本年4月引き受け分を合わせた累計値上げ幅は1万5000円となる。厚板で連続値上げを打ち出すのは、ロシアによるウクライナ侵攻時の2022年以来。今後のコスト動向や市況環境次第では、さらなる値上げの動きが続く可能性がある。

 4月引き受け分からの1万円の値上げは、過去2年以上にわたり市況下落局面で吸収してきた労務費、輸送費、資機材などの構造的なコスト上昇分を転嫁するものだった。中東情勢の悪化に伴い、鋼材の生産に不可欠な原油、LNG、バンカー燃料をはじめ、各種輸送費、耐火物などの資機材価格が一段と上昇しており、前回の値上げ幅ではコスト上昇分をカバーしきれなくなっている。

 足元では中東和平に向けた機運が高まるが、同地域の石油精製、LNG施設などのエネルギー関連インフラの物理的損傷の復旧には3―5年かかる見込み。各国がエネルギー安全保障の観点から調達先の分散化を進める中、代替調達先は中東産に比べて構造的に高コストになることから、エネルギー調達コストが紛争前の水準に戻ることは見込みにくいようだ。

 国内の厚板市場は、底入れが鮮明になりつつある。全国的に半導体工場、データセンター、物流倉庫関連を中心に大型建築案件の鋼材発注が増加基調にある。関西地区では統合型リゾート(IR)関連の需要も動き始めている。

 全国厚板シヤリング工業組合(ZSK)によると、1―4月の日当たりの切断量が前年に比べ増加しており、在庫調整の進展とあわせて需給環境は改善方向にある。造船分野は引き続き底堅く推移し、建設機械分野も米国による関税緩和や将来的な中東復興需要への期待から好調だ。

 各国での半導体工場の建設などを背景に鋼材の需給はタイト化しており、海外メーカーは、価格を重視する姿勢を強めていることから、安価な海外材が流入する機会は減少していくと想定される。高炉・電炉各社による値上げの動きも本格化している中、労務費、輸送費、資機材、エネルギー関連コストの構造的な高止まりが続く見通しで、環境次第では、さらなる値上げを視野に入れた動きになってくるようだ。

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