2010年5月7日

東洋ステンレス研磨、高耐食被覆技術を開発

 東洋ステンレス研磨工業(本社=福岡県太宰府市)はこのほど、低コストで耐久性の高い薄膜コーティング技術を開発した。半導体シリコンウエハーの表面を保護する薄膜形成技術を応用したもの。ケイ素系化合物のガスを吹き付けてコーティングし、腐食を防ぐ。対象となる金属は鉄やステンレス、アルミ、銅、マグネシウム、チタンなど金属のほとんど。当面は建物の外壁など建材向けおよび装飾物向けに加工する。将来的には太陽電池パネルのガラスにもコーティングができるよう開発を進める。

 今回開発した薄膜コーティング技術は、九州工業大学の和泉亮教授らと共同で開発したもの。希少金属の節約・削減を目的に、高耐食薄膜の開発に着手。九州経済産業局の地域新生コンソーシアム事業の一環で産学ベンチャー企業「トップマコート」を立ち上げ、研究開発を行った。

 被膜コーティング技術は、ケイ素系化合物のガスを加熱触媒体(HW―CVD)を通して金属に吹き付ける仕組み。このための設備も製作し、大面積の金属板に吹き付けが可能。被膜コーティングの特徴は(1)親水性があり、汚れが取れやすい(2)被膜形成加工時に廃棄物が非常に少ない(3)耐酸性がある(4)コーティング対象の金属が持たない色彩を出せる、など。ほとんどの金属に被膜を作り、電位差腐食も防ぐ。最近注目されるマグネシウム合金などに有効。