2019年11月7日

日本製鉄など マルテンサイト組織 超急速加熱過程 世界初、転位の動き観測

 日本製鉄は8日、理化学研究所、大阪大学、高輝度光科学研究センターとの共同研究チームが世界最先端のX線自由電子レーザ施設SACLA(兵庫県)において、世界で初めて鉄鋼材料のマルテンサイト組織の超急速加熱過程での転位(結晶欠陥)の瞬間的な動きを定量的に観測することに成功した、と発表した。これまで1秒間で数℃の加熱速度における転位の動きは観測できたが、1万度という高温では原子の拡散が速く、微視的・高速の変化を捉えることは難しく、マルテンサイトからのオーステナイト形成での転位の動きは明確でなかった。今回、研究チームが超急速加熱過程で転位の動きの観測に成功したことで、今後、鉄鋼材料の高性能化、高品質化、新合金開発、製造プロセス開発などに展開が広がることも期待できるようだ。

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