鉄鋼・非鉄業界では、11日の東日本大震災発生から丸10日を経過し、復旧に向けてのさまざまな動きが出てきた。東北地方では懸案だった救援物資などの供給網構築が徐々に進み、復旧資材の発注も始まった。関東地方では新日本製鉄やJFEスチールの製鉄所で、産業の米「鉄」を生み出す高炉の稼働が再開され、日本再生に向けての機運が胎動し始めた。
今回の大震災では、東北・関東地方にある高炉・電炉メーカーの製鉄所・工場の多くが、設備被害や電力制限、物流停滞などによって生産ストップした。高炉メーカーでは、新日鉄釜石製鉄所、住友金属鹿島製鉄所は被害が大きく、本格復旧に時間を要するが、代替生産など他所からの応援の準備が始まっている。
この間に新日鉄君津が高炉3基すべて、JFEスチール東日本も高炉全2基の稼働を再開した。電力需給がひっ迫しているため、両所ともに電力事情に最大限配慮した限定的な操業にとどまるが、体制は整っている。
住友金属・鹿島は高炉2基への送風再開の準備を進めつつ、軽量H形鋼、鋼管杭、薄板コイルなど在庫品の陸送を開始。18日には、仮設住宅にも使われる溶接軽量H形鋼の緊急要請を受けて、同工場の稼働を再開し、熱延コイルの海上輸送も再び始めた。