2020年9月24日

「道をゆく わが歩みと未来への提言」 中部・特集 大同特殊鋼会長 嶋尾正氏 トラウマ越え海外展開

 ――嶋尾会長は1973年に旧大同製鋼に入社されました。最初の配属先はどこでしたか。

 「まず配属になったのは本社の事務機械室という部署。今でいう情報システム部門で、電算機システムの運営担当だった。入社後約6年間、同部署に勤務したが、苦労したのは76年の3社合併の時。私は全社売り上げ回収システムの運営担当だった。具体的には、当月の売掛残をお客さま宛てに請求書として作り上げるシステムの運用を手掛けていた。76年9月1日付で3社が合併し大同特殊鋼が誕生したが、10月のはじめに合併新会社として初めて、従来の3社の全取引先に請求書を出さなければならない。そのために半年前にタスクフォースを立ち上げて、3社が集まって取り組みを開始した。基本的に大同製鋼がもっているシステムに他2社が合わせるという方針だったので、そのシステム運営を担当していた私が、実質的なリーダーということになり、入社してわずか3年で大役を担うことになった。半年間で成し遂げる必要があり、作業は結構大変だった。10月はじめのシステム切り替えでは、『人事を尽くして天命を待つ』心境になったことを憶えている。それが入社して最初の大仕事だった」

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