2021年12月28日

冨士電線の事業戦略/兒玉喜直社長に聞く/高速通信ケーブル 多様な市場に展開

 IoT(モノのインターネット)の進展や自動車の多機能化に伴い、需要の拡大が見込まれる高速通信ケーブル。昭和電線ホールディングスはこのほど、産業用ネットワークや車載などの新たな需要を捕捉するため、新ブランドの「FLANTEC(フランテック)」を立ち上げた。昭和電線HDの100%子会社でLANケーブルの製造を担う冨士電線(本社=神奈川県伊勢原市)の兒玉喜直社長に今後の戦略を聞いた。

 ――今期(2022年3月期)の見通しを。

 「通期での銅量ベースの出荷量は若干ではあるが前期を下回るとみている。上期の銅量ベースの出荷数量は前年同期比およそ5%減となった。下期は昨年同期を若干上回る数量を確保できるとみている。消防用電線は上期、駅周辺の再開発などの建設工事が先送りする事例があった。下期以降は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限が緩和することもあり、期待している。LANケーブルは上期、GIGAスクール向けが堅調だった昨年同期並みの数量を確保した。顔認証や温度管理に使うネットワークを構築するためのカテゴリー6AのLANケーブルが伸びている。学校関連は、一般教室のネットワークの構築需要は終息しつつあるが、実験室や美術室などの特別教室向けの需要はこれからも続くとみている」