2022年1月6日

新年特集/挑む未来創造 つかめ新たな成長機会/新春インタビュー/日本鉄鋼連盟/橋本英二会長/グリーンフレーションの波高く/ゼロカーボンへ行程具体化

気候変動による自然災害が世界で頻発し、地球温暖化の影響が顕著に表れてきた。世界は脱炭素にかじを切り、炭素排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルに向けた各国の政策や企業の取り組みが活発化している。新型コロナウイルス感染拡大によって縮小した経済は急回復し、原油や鉄鋼原料、食糧など多くの商品の価格が上昇。鋼材価格はリーマンショック以降、13年ぶりの高値となった。一方でコロナ禍は収まらず、部品製造や物流など国際サプライチェーンが滞り、自動車や各種機械の生産が減少。中国経済が不動産市場の信用不安などで減速し、世界経済の先行きの不安を増幅する。日本の鉄鋼業は原料高とタイトな需給を背景に国際的に陥没していた鋼材価格を引き上げ業績を改善させるが、中長期的な国内需要の減少や脱炭素の研究開発などなお難題が立ちはだかる。市場の変化がさらに速まる2022年、橋本英二・日本鉄鋼連盟会長(日本製鉄社長)に日本の鉄鋼業が抱える課題と取るべき手立てを聞いた。

 ――21年は鉄鋼業にとってどのような年だったか。

 「3つのキーワードがある。一つは新型コロナウイルス禍からの回復だ。21年は部分的に回復し、特に製造業について自動車や家電など『繰り越された需要』が一挙に増えた。2つめは脱炭素の動きが本格化した。先行投資がみられ、例えば造船がそれだ。ついこの間まで船腹は過剰と言われていたのが、新規の造船需要が増え、中国や韓国だけでなく日本まで造船メーカーがフル操業になっている。新型コロナ禍からの回復と脱炭素の先行投資が相まってインフレが進行し、コスト高を巻き起こしている。コロナ禍によって船員の移動や港湾の積み上げ・積み下ろしが困難となり物流がネックとなっている。半導体が不足し、物流含めて供給制約が生じている。脱炭素によって石油や石炭の投資は減少したが需要が増えたことで化石燃料が不足し、価格が上昇している。脱炭素に必要な資源は採掘の場が限られ、奪い合いとなり、価格が上がっている。脱炭素を契機に全ての資源価格が上がる『グリーンフレーション』に見舞われている」

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