2022年7月19日

阪和興業の成長戦略/社長インタビュー/持続的成長へ「3階建て経営」/代表取締役社長/中川洋一氏/経営戦略/ESG・SDGs関連で事業創出/ニーズ先取り、機能磨く/攻めの「M&A+A」に/投資の収益化が本格化

――75周年の節目を迎え、経営トップとしての決意から。

 「鉄鋼ビジネスをメインとし、プライマリーメタル、リサイクルメタル、食品、エネルギー・生活資材、木材などの事業を手掛ける独立系の複合専門商社として事業を拡大し、成長を続けてきた。経営環境は目まぐるしく変化しているが、脱炭素社会への対応など世界の潮流は変わらない。2020年度から22年度の3年間を対象とする第9次中期経営計画の基本方針は『Run up to HANWA2030―いまを超える未知への挑戦―』。全体像を建物に例えて『ESG、SDGsに根差した経営』を基礎とし、1階部分に『経営基盤の強化』を据え、2階部分を『事業戦略の発展』、3階部分を『投資の収益化』とし、それぞれ重点課題を設定している。主力の鉄鋼事業を国内外で拡充し、プライマリーメタルが注力する二次電池ビジネスは正極材に負極材を加え、リサイクルも含めた循環型のサプライチェーンを広げていく。エネルギーは、PKS(パームヤシ殻)やウッドペレットなどバイオマス発電燃料を強化。全社横断的なアプローチによる新たなビジネスチャンスの創出にも取り組んでいる。『ユーザー系商社』として時代のニーズを先取りし、機能を磨き、経営資源を効果的に配分して持続的成長を図っていく」