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2024.12.4
2022年12月21日
日本製鉄、日鉄物産をTOBで連結子会社化・非公開化、鉄鋼サプライチェーン一貫での競争力強化へ、市場変化への対応急ぐ
日本製鉄は21日、同社グループ中核商社の日鉄物産をTOB(株式公開買付)とスクイーズアウト手続きによって連結子会社化・非公開化すると発表した。日鉄物産の株式を日本製鉄グループが35・1%、三井物産が20%保有しており、同取引後に日本製鉄が80%、三井物産が20%を持つ。買付代金の総額は約1370億円。短期間で大きく変動する市場に迅速・適切に対応するため、鉄鋼製造から流通・加工一貫での最適化・効率化などサプライチェーン全体の競争力を引き上げるのが狙い。情報共有などの制約を解消し、経営資源を一体活用した直接営業力の強化など多くのシナジー発揮を見込む。
来年2月下旬を目標とする各国の競争当局からのクリアランス取得後にTOBを始め、3月下旬のTOB終了、連結子会社化を予定する。5月下旬の日鉄物産の臨時株主総会で株式併合を特別決議し、上場廃止と株式併合を実施する。
両社はこれまで販売・人材交流などの協力関係を築いてきたが、日鉄物産が上場会社であり、持分法適用関連会社にとどまることから互いの顧客情報・技術情報などの共有、経営資源の補完・相互活用などの面で一定の制約があった。中長期的観点に立った施策の実行はグループ全体の企業価値向上に結びつくが、短期的観点では日鉄物産の業績や財務状況の悪化を招く恐れがあり、少数株主の利益になるとは限らない場合も想定された。
連結子会社化・非公開化によって制約を解消し、商社機能のグループでの効率化・強化を図る。需要家への直接営業の拡大や商取引業務の事務効率化、加工拠点の稼働率向上・最適体制の構築が見込める。カーボンニュートラルなどの新規需要分野や海外市場に両社の営業戦力を重点投入する考え。日鉄物産の国内外の営業拠点やコイルセンターなどの加工拠点が持つ営業情報や加工ノウハウを最大限に活用し、多様化する顧客への対応力や海外営業力の強化につなげる。
営業情報が共有可能となる利点を生かし、鉄鋼製造を担う日本製鉄と流通・加工を担う日鉄物産にそれぞれ点在する生産・在庫・物流・納期などのデータを連携し、最新デジタル技術を適用する。在庫量の適正化やリードタイムの短縮、加工歩留まりなど製造効率の向上が期待される。将来的にGXなどの新規拡大領域での連携を検討する。
日鉄物産(中村真一社長)は主力の鉄鋼と産機・インフラ、食糧、繊維を事業の柱とし、21年度の連結業績は売上高1兆8659億円、経常利益478億円(22年度予想460億円)。連結従業員6638人。国内に24の営業拠点を持ち、海外事務・現地法人を18カ国33都市に構える。
来年2月下旬を目標とする各国の競争当局からのクリアランス取得後にTOBを始め、3月下旬のTOB終了、連結子会社化を予定する。5月下旬の日鉄物産の臨時株主総会で株式併合を特別決議し、上場廃止と株式併合を実施する。
両社はこれまで販売・人材交流などの協力関係を築いてきたが、日鉄物産が上場会社であり、持分法適用関連会社にとどまることから互いの顧客情報・技術情報などの共有、経営資源の補完・相互活用などの面で一定の制約があった。中長期的観点に立った施策の実行はグループ全体の企業価値向上に結びつくが、短期的観点では日鉄物産の業績や財務状況の悪化を招く恐れがあり、少数株主の利益になるとは限らない場合も想定された。
連結子会社化・非公開化によって制約を解消し、商社機能のグループでの効率化・強化を図る。需要家への直接営業の拡大や商取引業務の事務効率化、加工拠点の稼働率向上・最適体制の構築が見込める。カーボンニュートラルなどの新規需要分野や海外市場に両社の営業戦力を重点投入する考え。日鉄物産の国内外の営業拠点やコイルセンターなどの加工拠点が持つ営業情報や加工ノウハウを最大限に活用し、多様化する顧客への対応力や海外営業力の強化につなげる。
営業情報が共有可能となる利点を生かし、鉄鋼製造を担う日本製鉄と流通・加工を担う日鉄物産にそれぞれ点在する生産・在庫・物流・納期などのデータを連携し、最新デジタル技術を適用する。在庫量の適正化やリードタイムの短縮、加工歩留まりなど製造効率の向上が期待される。将来的にGXなどの新規拡大領域での連携を検討する。
日鉄物産(中村真一社長)は主力の鉄鋼と産機・インフラ、食糧、繊維を事業の柱とし、21年度の連結業績は売上高1兆8659億円、経常利益478億円(22年度予想460億円)。連結従業員6638人。国内に24の営業拠点を持ち、海外事務・現地法人を18カ国33都市に構える。
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