2022年6月3日

日本の特殊鋼 世界に誇る技術の粋/(11)/特殊鋼メーカートップに聞く/愛知製鋼・藤岡高広社長/顧客と一体開発 一層強化

――特殊鋼メーカーとしての自社の強みをどう考えるか。

「自動車の基幹部品となる特殊鋼は、非常に大切な戦略物資。『日本の技術の粋』であり、『最後の砦』だ。われわれは日本経済の発展とともに成長してきた。お客さまとのすり合わせ技術で開発の初期から品質や使い方、削り方など全てを盛り込み、目的に合った特殊鋼を造り上げてきた。それが大きな強み。さらに製販一体で物流も含めきめ細かく供給し、生産対応も行なってきた。このお客さまと一体となった取り組みには、簡単に海外メーカーなどが対抗できない」

「特殊鋼技術は、日本の経済安全保障につながる極めて重要なもの。しかし貴重な国産資源である鉄スクラップが年間で約3割も輸出され、その市況で国内の価格が動くのは深刻な問題。特殊鋼とその生産を支えるスクラップをともに戦略物資と捉えた対応を、政府や省庁に望みたい」




 







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