2022年7月28日

鉄鋼業界で働く/女性営業職編/インタビュー(下)/積み重ねた経験生かす

岩谷産業では、マテリアル本部金属部大阪ステンレス課の吉田幸代さんが、新規開拓などの業務に当たっている。一般職で入社し事務を担当後、総合職に転換。2021年から営業としてのキャリアを歩み始めた。社内では労働組合の執行部として、制度改革にも取り組む。現在の業務内容や組合の活動、今後の目標について聞いた。

――営業・事務の双方を経験されています。

「9年間事務を経験してきて、『こんなことを知っておきたかった』というものが複数ありました。営業に変わってから学んだ知識を、事務の後輩たちに、押し付けがましくならない程度に伝えていきたいと思っています」

――営業で良かったことを。

「業務姿勢を評価してくださるお客さまは当初からいてくださいましたね。また事務時代に電話対応をずっと続けてきたお客さまと対面できる機会が多いです。『あなたがいつも電話をしていた吉田さん!』と驚いてもらえることが多く、経験で得しているように感じますね。今後も、ずっと会いたかったお客さまに対面する予定があるんですよ。こういったご縁から生まれるお話を、営業としてキャッチアップしていきたいですね。0から1へ物事を生み出せる立場になったので、9年間積み重ねた人間関係をどんどん生かしたいです」

――労働組合でも活動されています。

「事務の時から担当しており、現在3年目です。組合の働きかけによって、新たな制度が複数生まれたんですよ。今年4月から、妻や夫の転勤を理由に引っ越さざるを得ず、でもキャリアを諦めたくないという社員のため、最大3年間の休職制度が始まりました。復職後は原則元のポジションに戻れる仕組みになっています。また家族の転勤先に岩谷産業の勤務地がある場合は、引っ越し先で地域限定職社員として勤務形態を変更できる制度も同時に始まりました」

――新制度について感じることは。

「制度ができる前、夫の地方勤務のために退職した女性が何人かいました。働き続けようと何とか努力をした女性もいましたが、いろいろと限界を感じ退職してしまいましたね。今春から始まった制度があったら、その子たちも働けていたのかな…と時折気になります。結婚しても働きやすい制度が始まり、現在はどう運用していこうかという段階です。私もいつかいろんな制度を利用して、感じたことを発信したいと思っています。何事もやってみないと分からないですから」

――働き方が変わっていきますね。

「近年は新卒採用で総合職のうち20―25%程度、女性を採用するように変わりました。今春入社からは25%に変更されています。例年総合職を40―50人採用しているので、十数人くらいの女性が入ったようです。組合の執行部の立場としては、岩谷産業の未来を担う皆さんが十分に活躍できる職場環境の構築を進めていきたいですね」

――最近の業務は。

「向け先を問わず、ステンレスのさまざまな材料を取り扱っています。中でも欧州材に力を入れています。事務時代も欧州材の輸入業務のアシスタントをしていたのですが、営業の立場だと以前よりもお客さまの思いに深く寄り添って提案ができるので、仕事の広がりを感じますね。今は新規開拓なども始めました。これまで関わりのなかったお客さまのもとを訪ねて、岩谷産業の紹介や、ステンレスにご興味がないか、提案をしています。本当に始めたばかりなので受注はまだですが、今後貢献できたらいいなと思っています。自分が金属部として何ができるのか考えるようになりました」

――鉄鋼業界に女性が増えてほしいですか。

「どちらでも良いと思います。本人がやりたいと思うなら、やった方がいいと思いますし、できる環境であってほしいです。女性が増えてほしいというよりかは、女性で営業に挑戦したい、男性で事務としてサポートに徹したいなど、性別などにとらわれず多様性に満ちた配属がなされたらと思いますね。適性も重要ですが、わがままではなく、個人がやりたい仕事が認められ尊重される業界になればいいなと思います」

――管理職に興味はありますか。

「課長になる姿を想像してみると…大変そうだなと思います(笑)。会社にある制度を一通りやってみたいという思いはあるので、その時のライフイベント次第で可能であれば、やってみたいです。ただ、私は性格的に先陣を切って率いるタイプではなく、昔から底支えや縁の下の力持ちといった役割であることが多いので、会社の組織を動かすリーダーに向いているかどうかは分からないですね。課長として適任と言われる機会がもしもあるのであれば、やってみたいと思います」

――今後の目標を。

「営業としては赤ちゃんの状態なので、まずは歩ける状態にならなきゃ!と今の仕事で手いっぱいですが、『吉田さんだから取引したい』と言ってもらえる営業になれるよう、頑張ります。新型コロナウイルスが落ち着いたら、欧米をはじめとした海外の取引先に訪問し、グローバルな視野を持って営業に取り組んでいきたいです」

(芦田 彩)



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