JFEスチールがオフィシャルパートナーとして協賛しているトヨタ自動車のレーシングチーム「TOYOTA GAZOO Racing（TGR）」が今月開催の2023FIA世界耐久選手権（WEC）最終戦のバーレーン8時間決勝レースで優勝し、5シーズン連続、通算6度目となるWECマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得した。

同社が製造する高ケイ素Si傾斜電磁鋼板が出場車両の駆動モーターに21年から3シーズン継続して採用されている。モーター効率とトルクを左右する重要部材の一つのステーターに適用され、モーター性能の向上を通じてTGRの活躍に貢献した。

モーターの高効率化は電磁鋼板中のケイ素量を増やし、鉄損（エネルギーロス）を低減する方法が有効だが、磁束密度が低下し、モーターの駆動トルクが十分に得られない難点がある。同社の製品は板厚方向のSi濃度分布を活用して高磁束密度と低鉄損を両立し、レースで求められるパワーと省エネを高い水準で両立できる。