中国粗鋼3月9600万トン弱 10カ月ぶり生産高水準

【上海支局】中国の3月の粗鋼生産量は9573万トンと前年同月比6・9％増え、昨年5月以来、10カ月ぶりの高水準となった。9000万トンを超えたのは9カ月ぶり。春の需要期を迎え、政府の景気対策への期待も加わり、鉄鋼メーカーが増産意欲を強めた。一方で実需の回復は不動産建築中心に鈍く、需給が緩み、鋼材市況は3月に下落。内需の不振から鋼材輸出が急増し、アジア市場の需給を乱す要因となっている。4月入り後も主要メーカーの増産基調は変わらず、多量の鋼材輸出と鋼材市況の軟化の傾向は続きそうだ。