2011年5月2日

高炉5社、増収増益 今期の鍵は価格改善

 高炉メーカー5社の2011年3月期決算が28日出そろったが、アジアを中心とした海外や国内製造業向けの鉄鋼需要回復を背景に、鋼材販売量が戻ったことから、5社ともに増収増益となった。ただし原料価格の高騰に鋼材販売価格の改善が追い付かず、マージンは大幅に縮小し、神戸製鋼所を除く4社が当初の損益見通しを下回った。

 12年3月期は「東日本大震災の影響が見通せないため、合理的な算定が難しい」(石川良雄・JFEホールディングス副社長)ことから、5社ともに業績予想の公表を見送るなど厳しい環境が続く中、第1四半期は原料コストがトン1万5000円程度さらに上昇しており、各社にとっては「原料コストアップ以上の鋼材価格の引き上げ」(新日本製鉄の谷口進一副社長)が、製鉄事業継続の最大の課題となる。

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