2023年6月2日

特殊鋼倶楽部が懇親会 藤岡前会長「変化乗り越えて」 清水新会長「持続的に運営」

特殊鋼倶楽部は31日の夕方、都内の鉄鋼会館で定時総会後の懇親会を開催し、会員など約70人が出席した。

 冒頭、前会長の藤岡高広氏(愛知製鋼社長)があいさつに立ち、「愛知製鋼の社長を務めた12年の間に、特殊鋼倶楽部の会長に2回就くことができた。カーボンニュートラル(CN)やDXに向かう時代になってワーキンググループをスタートし、底上げを図るべく取り組んできた。会員のサポートに感謝している。特殊鋼は最先端技術の『粋』であり、最後の砦というほど産業界にとって大切な材料。その特殊鋼を取り巻く環境の潮目が変わった。CNで素材価格が上昇し、地政学リスクに伴うエネルギー供給不安が起こり、サプライチェーン混乱による部品不足で需要家が生産できない状況に陥っている。ドライバー不足による流通・物流の問題も出てくる。この厳しい時代を乗り越えるタイミングと、日本で自動車産業が始まった時代が酷似している」と指摘。その上で、トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏が退任時に全組合員に伝えた言葉を引用し「『これからの産業は世界との競争である。より高いレベルでの競争が待っている。しかし、そこを生き抜かなければわれわれの未来はない。そして、この国の未来もない。ゼロからここまでやってきたみんなが勇気を持って立ち向かえばやれないことはない。理想の実現のため、妥協することなく、技術を鍛え続けてほしい。そして、その努力も続けてほしい。そのための努力を支えるのは夢と情熱である。苦しい時ほど大きな夢を抱いて頑張ってほしい』とあいさつし、退任した。清水新会長が特殊鋼倶楽部を盛り上げていくと思うので、引き続きサポートをお願いしたい」と締め括り、変化が激しい環境下でバトンを受けた清水新会長にエールを送った。

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