鉄鋼メーカーは原材料価格や物流費、人件費などの上昇を背景に、相次いで値上げを打ち出してきた。同社もこうした動きに対応し価格転嫁に取り組んできたが、市中への浸透は十分に進んでおらず、「流通が収益を削りながら供給を維持する不健全な商慣行が常態化している」と指摘する。
下期も諸コストの上昇が収まる見通しはなく、鉄鋼メーカーによる追加値上げの可能性が高いとみている。同社は、「需要低迷を理由に価格転嫁を先送りし続けることには限界がある」として、今後も必要に応じて販売価格を改定する方針。主力のH形鋼については、今回の改定を通過点としてベーストン12万円の販売価格を見据え、プライスリーダーとして市況価格の形成にもつなげる考え。
同社は鋼材流通特約店であると同時に、リロール品メーカーとして「加工力」「在庫力」「運送力」を強みとしており、価格転嫁によって安定供給に必要な事業基盤を維持する姿勢を示す。人材を重要な経営資源と位置付け、今年4月には新たな人事制度を導入。また、2028年度までの重点方針として、製造業などへの販売拡大や基幹システム刷新、グループ企業との連携などにも取り組む。
「適正な価格転嫁は利益確保だけでなく、鋼材の安定供給や雇用、物流・加工機能の維持、社会インフラを守るために必要」としており、価格転嫁を業界全体の課題と捉え、関係企業との連携も進めながら持続可能な鋼材流通の実現を目指す。


























