2010年8月6日

JFEスチール、粉末冶金用の合金鉄粉を開発 省ニッケルで高強度

 JFEスチールは、ニッケルを含まずに高強度で切削性に優れる焼結材料となる粉末冶金用合金鉄粉「FM1300」を開発したと発表した。1300メガパスカルの引っ張り強度を発揮し、自動車の小型化・軽量化に寄与する。

 焼き入れ性の高いモリブデンの合金組成と、合金化方法を最適化することで、高強度と切削性の両立に成功した。顧客先で1250℃の高温焼結を行い、浸炭・焼き入れ・焼き戻しした焼結体は、高強度ながら従来のニッケル系合金鉄粉以上の切削性を有する。

 自動車用など高強度の鉄系焼結部品を製造する際に、強度向上のためにニッケル粉が合金元素として多く利用される。焼結時の拡散不足によって高強度と低強度の組織が混在し、切削性が低下。結果、加工費が増加する問題が生じていた。

 ニッケル粉末の価格変動や、安定調達なども課題となっていたため、同社は07年にニッケルを含有しない高強度のFM600とFM1000を商品化。FM600は、ミッションなど自動車用焼結部品に採用されている。









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