2024年3月28日

鉄鋼業界で働く/女性業務職編 インタビュー/より働きやすい職場に

2024年4月1日から親会社、豊田通商の自動車薄板事業との統合が決まった豊田スチールセンター(本社=愛知県東海市、斉藤尚治社長)。生産管理部工程グループスリッターチームチームリーダーの中南幸香(いつか)さんとサプライチェーン統括部運輸グループ運輸管理チームチームリーダーの越川さやかさんが本年度から総合職に転換し、日々業務に励んでいる。入社のきっかけや業務内容、業界の印象、やりがいなどについて聞いた。

――自己紹介を。

中南「2002年に入社しました。入社後一貫して同じ部署にいますが、最初はレベラーチームでシステム関連の仕事を担当。妊娠・出産を経て復帰後の13年からスリッターチームで働いています」

越川「12年5月に派遣社員として入社、3年後の5月に正社員登用されました。入社前は工場の液晶ディスプレー検査、食品会社の事務などを経験しています」

――業務内容は。

越川「運賃の支払い業務と特急案件のデリバリー業務、改善提案の資料作成などを行っています。トラックの手配なども担当していますね」

中南「お客さまからの発注の加工指示を工場へ流しています。いかに効率良く板取りをするか考えて依頼していますね」

――やりがいを。

中南「生産指示表を日々作る中で、スクラップの発生を最小限にきれいに抑えられた時、達成感があります。ラインの仕様によって発生量のベスト実績があり、それに近い量が続くとうれしいですね」

越川「在庫が多い時の調整、母材が手配できない時にスムーズに輸送を終えた時など、イレギュラーな対応が終わるとやりがいがありますね。また運送会社の事務所が社内の同じフロアに入っているので、事あるごとに『ありがとう』と言い合っています。良い関係だなと日々感じています」

――総合職に転換。

中南「上司からの推薦があって、総合職への転換を目指すことになりました」

越川「私も会社から打診があり、総合職になるための試験を受けましたね」

中南「総合職になってから、管理業務が増えたことが一番大きい変化。チームとして何かまとめないといけない話がある時に、周囲の男性総合職に気遣いされているようで少し不安になることがあります」

越川「総合職に転換してから正直プレッシャーを感じる時があります。『今までとは違う新しい目線で見て』と言われるのですが、どんな目線で見たらいいのか分からなくて」

中南「言われますね」

越川「チーム員をまとめるよう指示されることもあるのですが、チーム員はみんな年上。年齢のことで、『私はリーダー感をあまり出してはいけないのではないか』と気にしてしまって。そのあたりのさじ加減が難しいです」

――家庭との両立は。

中南「小学5年生の息子がおり、子育てと両立しています。3歳までは時短勤務があったので何とかなりましたが、思ったよりしんどいなと」

越川「今は時短勤務の対象年齢が5歳まで上がりましたよ」

中南「経済的なことを考えると、時短とフルタイム、どちらを取るか難しいですね。各メンバーが個々に製造ラインの生産計画を担当しているので、子供の急病で会社を休むと自分の業務を他の方に任せることになってしまう。『休みます』という電話を掛けるのが心苦しかったです」

越川「家事との両立は大変ですね(笑)。仕事と子育てをうまく両立したいですが、育休の1年間で復帰となると心身面での不安があります。加えて子供の予防接種などのスケジュールが多々あるようで、ちゃんとできるか心配ですね」

――女性に増えてほしいか。

越川「鉄鋼業界が求めているなら増えてほしいですけれど……」

中南「どちらとも言えないのが正直なところです。今の自分の状況を考えると家庭との両立が大変なイメージがあり、女性に任せきれるのか? という疑問があります」

越川「今の社会はだいぶ進化してきていますが、多様性の観点からも、もう少し女性の働きやすさなどに寄り添ってくれる環境が整うことで女性が増えれば思います」

中南「今はいないのですが、現業職に女性が入ると何か大きく変わるきっかけになるのではないでしょうか」

――求める人材は。

越川「若手社員が増えてくれたら今までにない考え方ややり方で、新しい風が吹くのではないかなと期待しています。今後は人の力に頼りすぎず、可能なことはロボットなどで自動化し、人の負担が減るといいなとも思いますね」

中南「変化を恐れない人材に入ってほしいです。新しいシステムが入っても柔軟に対応できる人がいればいいなと」

――今後の目標を。

中南「今、生産指示表をデータで送る準備を整えているところです。職場から工場まで歩いて持って行っていたものを自動化することで、在宅勤務導入などにつながるのではないかと。より働きやすい職場にしていきたいです」

越川「今は物流2024年問題を抱えているので、いろんな改善をしている最中です。今後もずっと続く問題だと思うので、目の前の課題にその都度取り組んでいきたいですね。また入社以来同じ部署にいるので、機会があれば他のいろんな部署でも経験や知見を積みたいです」

(芦田 彩)





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